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日立、UNIXサーバー「EP8000」でPower10を搭載したミッドレンジ/エントリーモデルを販売

 株式会社日立製作所(以下、日立)は11日、UNIXサーバー「EP8000」シリーズについて、最新CPU「Power10」を搭載したミッドレンジモデルの「EP8000 E1050」および、エントリーモデルの「EP8000 S1024」「EP8000 S1014」を10月12日に販売開始すると発表した。

 EP8000シリーズは、OSにAIXを採用する日立のUNIXサーバー。金融機関をはじめとする企業の基幹業務や鉄道、電力などの社会インフラ向けシステムに多くの稼働実績がある。

「EP8000」シリーズ

 新モデルは、既に提供しているPower10搭載ハイエンドモデルと同様のセキュリティ機能や、環境に配慮した機能などを搭載。Power10上で高速にメモリ暗号化を行う機能を全モデルでサポートしたほか、メルトダウンなどの投機的実行に関する脆弱性への攻撃を緩和する機能の性能をPower9よりも向上し、セキュリティ強化がシステム性能に及ぼす影響を低減する。

 環境配慮面においても、EnergyScale機能による消費電力半減とプロセッサ高速化の相乗効果で、エネルギー効率をPower9搭載モデル比で約2.6倍に向上した。

 さらに、HAクラスタソフト「HA Booster Pack for AIX」との連携による高速系切り替えや、日立ストレージ連携時のエラートレース機能による迅速な障害原因究明など、日立独自の高信頼性も継承している。

 このほか、機械学習や深層学習で必要な行列演算をGPUなしでも実行可能とするAIエンジンの「ML/DL MMA(Matrix Multiply Assist)」を搭載したことで、業務に使用するEP8000と同じサーバー上で、AIを活用した分析や推論などを実行可能としている。

 「EP8000 E1050」は、社会インフラシステムの中核サーバーとしての性能と省スペース性、信頼性を備えたミッドレンジモデル。Power10の搭載により、従来モデル比で処理性能を1.2倍に向上。プロセッサとメモリを高密度に集約したことで、従来モデルではCPUドロア(サーバー筐体)2台構成で得られた性能が、1台のCPUドロアで得られるなど、省スペース化を実現した。信頼性面では、予備のDRAMチップを備えた交替メモリチップ機能をミッドレンジモデルとして新たにサポートし、メモリ障害発生時も業務の継続を可能とした。

 「EP8000 S1024」は、複数の業務サーバーの統合に適した、エントリーモデルの上位機種。プロセッサの性能向上により、複数台の従来エントリーモデルを、EP8000 S1024 1台に統合できるとしている。また、Power9搭載機種ではミッドレンジモデル以上が対象だった、ハイパーバイザーがアクセスするメモリ上の領域を二重化するAMM(Active Memory Mirroring)機能を、エントリーモデルとして新たにサポートした。

 「EP8000 S1014」は、拠点のエッジサーバーとしても設置可能なエントリーモデル。4Uのラックマウントタイプとタワータイプが選択でき、100V電源に対応するほか、処理性能は従来モデル比で約39%向上し、拠点でのIoTデータ処理などに適したモデルとなる。

 製品の価格(税別)は、EP8000 E1050が5337万1000円から、EP8000 S1024が1780万8500円から、EP8000 S1014はラックマウントタイプが1284万900円から、タワータイプが843万3500円から。出荷開始予定日は、EP8000 E1050が2023年3月31日、EP8000 S1024とEP8000 S1014は2023年6月30日。