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鹿島建設とNEC、自動化施工システムの普及・展開を目指し合弁会社を設立

 鹿島建設株式会社と日本電気株式会社(以下、NEC)は8日、自動化施工システムの提供・普及・展開を目的とした事業の可能性を検討する合弁会社「株式会社KNC Planning」を設立したと発表した。新会社の資本金は4000万円で、出資比率は両社ともに50%。社長は鹿島建設 専務執行役員の高田悦久が務める。

 昨今の日本の建設業界においては、熟練労働者をはじめとする人手不足、他産業に比べて低い現場の生産性・労働安全性が大きな問題となっているほか、2024年から適用される働き方改革関連法に対応するためにも、いっそうの生産性向上が課題になっているという。

 今回設立されたKNC Planningは、こうした課題の解決のために、重機による自動化施工システムの普及・展開を目指す合弁会社。鹿島建設とNECでは長年、通信やセンサーなどの研究開発を進めてきたが、KNC Planningでは、自動化施工システムを活用して、現場の生産性・安全性向上のカギを握る実作業のDX実現を目指すとした。

自動化施工システム導入後のイメージ

 具体的には、現場での実作業の省人化と生産性向上、および現場内の安全性向上を実現するため、鹿島建設が開発した自動化施工システム「クワッドアクセル(A4CSEL)」を中核とし、施工のDXによる業務フローの変革を図る考え。

A4CSELを核とした自動化施工システム概要図

 さらにその前段として、施工計画の高速自動作成と最適化処理技術、計画通りに確実に休むことなく作業を行う重機の自動運転技術、遠隔地から効率よく重機を動作させる遠隔操縦技術など、多様な技術を内包するA4CSELを汎用化・一般化するために必要な技術の精査や、コスト検討といった技術的実現性や経済的有効性を検証する。その上で、多方面への提供を含めて、自動化施工システムを広く普及・展開することを目的として、新事業の成立性を検討するとした。

 このほか、新事業に賛同するパートナーを広く募り、課題解決に貢献できるスキームを早期に整えていくとしている。