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SUBARU、車両設計シミュレーションなどのHPCワークロードをオンプレミスからOCIに移行

 日本オラクル株式会社は20日、株式会社SUBARUが、同社の車両設計シミュレーション向け衝突解析・流体解析、および3D可視化用HPCワークロードの実行環境に、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を導入したと発表した。

 SUBARUでは従来、走行性能の品質向上などで必要となるシミュレーションやテストを実行するために、計算負荷の高いHPCワークロードをオンプレミス環境で運用してきた。しかし、自動車業界におけるCAE・HPC分野でのクラウド活用の進展、また設計・開発効率の改善活動の一環として、オンプレミスで稼働していた最大数万コアにおよぶ大規模なHPCワークロードをOCIに移行している。

 この移行により、エンジニアが複雑かつ大規模なシミュレーションを実行するために必要な計算能力を、常に利用できる環境を実現。オンプレミス環境以上の性能で、CFD(計算数値流体力学)シミュレーションによる車内音の品質向上、衝突解析における計算のばらつきの解消や最適な構造計算を可能にした。あわせて、性能品質の安定化を図りながら計算時間を約20%短縮し、開発コストの削減を実現したとのこと。

 また、場所や電力などの物理環境要件を考慮しなくてもよくなったほか、保守費などのIT管理運用コストも削減しているという。

 なおSUBARUでは2021年12月にOCIの採用を決定し、株式会社アルゴグラフィクスの支援のもと、OCI上での環境構築およびHPC環境の移行を行った。本稼働は2022年5月から開始されている。さらに検討当初は、OCIへの移行支援サービス「Oracle Cloud Lift Services」のPoC支援により、クラウド移行の課題や懸念事項を実機環境にて確認・解消するとともに、OCIに関するスキルも習得したとのことだ。