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NTT Comとトレンドマイクロ、IoTデバイス向けにセキュリティ機能を実装したeSIMを共同開発

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)とトレンドマイクロ株式会社は14日、セキュリティ機能を搭載したeSIMの共同開発に成功したと発表した。

 開発したeSIMは、通信プロファイル以外の情報や機能を具備可能なeSIM内のアプレット領域に、セキュリティ機能を実装したもの。トレンドマイクロのモバイルネットワーク向けセキュリティソリューション「Trend Micro Mobile Network Security(以下、TMMNS)」のコンポーネントである「TMMNS Endpoint Protection」が、セキュリティ機能を提供する。

 これにより、IoTデバイスとeSIMが正しい組み合わせであるかを照合できるため、eSIMが不正なIoTデバイスに接続されている場合、ネットワークへ接続させないようにでき、IoTデバイスごとの仕様を意識することなくセキュリティ対策を実施できるとしている。

 また、TMMNSのコンポーネントである「TMMNS Network Protection」とeSIMが今後連携することで、IoTデバイスのマルウェア感染を検知することや、不正な通信を遠隔からリアルタイムにブロックすることが可能になる。

 eSIMにより、さまざまな場所で利用されるIoTデバイスのセキュリティ対策を、モバイルネットワークを介して一元的に実施できるため、運用コストの削減やリソースの最適化が可能になると説明。また、IoTデバイス共通に具備される通信機能を介したセキュリティ対策であるため、IoTデバイスの仕様を意識する必要なく利用できるとしている。

 また、開発したeSIMでは、NTT Comの独自技術「eSIMのアプレット領域分割技術」により、通信に必要となる情報を書き込む通信プロファイル領域と、アプリケーションなど通信以外の情報を書き込むアプレット領域を完全に分離して管理できる。これにより、NTT Comが審査した信頼できるパートナーに、アプレット領域にアクセスできる鍵を配布することで、通信以外の機能をパートナーが独自に実装することが可能で、アプリケーション実装の早期化や通信以外の付加価値を、パートナーがeSIMを介して顧客に提供できるとしている。

 NTT Comとトレンドマイクロでは、2022年度中のサービス化に向け、参加企業を募集してフィールドトライアルを実施する。参加企業から、eSIMの有効性や課題に関するフィードバックを得て、より良い機能性や操作性を目指す。

eSIMのイメージ図