ニュース

スタディスト、マニュアル作成のコンサルティング事業開始
業務アセスメントや作成代行、運用代行などを提供

 株式会社スタディストは17日、企業のマニュアル作成を支援するコンサルティング事業を本格開始すると発表した。

 同社は文字だけでなく、ビジュアルを活用したマニュアル作成サービス「Teachme Biz」を提供しており、その中で、社内にマニュアル作成ノウハウがない企業からの支援要請などを受けて、一部の顧客に対してコンサルティング事業を提供してきた。

 今回は、Teachme Bizの導入前から導入後までをカバーする、トータルなコンサルティングを本格的に提供開始し、2023年2月期の決算時点で1億5000万円程度の売上となることを見込んでいる。

 代表取締役CEOの鈴木悟史氏は、「新型コロナウイルス収束後は、余計に働き手の奪い合いが増えることが予測されており、作業手順を見直し、人材を即戦力化できるマニュアルのニーズはさらに高まることが見込まれている。今回、本格開始するコンサルティング事業は、2021年5月から一部企業に対し提供してきたもので、お客さまからは、さまざまな“負”を解消してほしいという期待の声がある」と説明している。

スタディスト 代表取締役CEOの鈴木悟史氏

マニュアル作成と共有を行うサービス「Teachme Biz」を提供

 同社が提供する、マニュアル作成と共有を行うサービスのTeachme Bizは、2022年1月17日朝時点で、35万6047のアカウント数があり、67万8372点のマニュアルが作成・共有されているという。

 利用している企業は、大企業から中小企業まで幅広く、業種としても小売業、飲食業、宿泊業、物流業、医療・介護、製造業、ビルメンテナンス、アミューズメントなど、さまざまな業種で利用されている。「最近の特徴としては、ハイブリッドワークが進んだことで、従来のように、隣の席の人にわからないことを聞けなくなったため、バックオフィス業務のマニュアル化も進んでいる」(鈴木氏)。

 従来、企業が利用するマニュアルはテキストベースで作成されることが多かったほか、マニュアル等を用意せずに、“業務を教える”スタイルの企業も多かったという。しかし最近では、その状況が変わり、文字だけでなく画像などを活用し、手順の理解度が高いマニュアルへのニーズが高まっていることもあって、調査会社がマニュアル作成システムの調査を行うようになったとのこと。

 そうしたマニュアル作成ニーズに応えてTeachme Bizを提供する中で、マニュアル作成を行う上での課題解決を手伝ってほしい、という顧客からの要望があったという。

 そのバリエーションも、導入前から導入後まで、さまざまだったとのこと。例えば導入前の場合は、「労働生産性を高めたいが、自社の問題点がどこにあるのかわからない」といったケースがひとつ。

 さらに、「Teachme Bizを導入してみたいが、導入するとどんな効果が出てくるのかがわからない。社内に効果を示す必要があるので、われわれが効果検証を実施することで、お客さま側の検討・検証・社内調整にかかわる負担を軽減するお手伝いも、コンサルティングのひとつ」(取締役副社長 コンサルティング部長 庄司啓太郎氏)となる。効果検証については、業種を問わず幅広くニーズがあったとのこと。

スタディスト 取締役副社長 コンサルティング部長の庄司啓太郎氏

 導入後についても、導入初期を支援することやシステムを使い続けていくための業務負担の削減、導入からかかわってきた担当者が移動するといった場合に備えるための支援といった要望があった。

経営課題の解決には、システム導入(契約)だけでは不十分

顧客からのニーズベースに、導入前から導入後までに対応するメニューを用意

 そこで今回、スタディストではコンサルティングサービスの提供を開始する。これについては鈴木氏は、「これまで事業は順調に拡大してきたが、さらに多くのお客さまを獲得していくためにコンサルティング事業を開始する」と説明したが、鈴木氏をはじめ、創業メンバーにコンサルティングファーム出身者が多いことも、コンサルティング業務開始の要因となっているという。

 本格的にコンサルティング事業を開始するにあたっては、前述のような顧客からの声をベースに、導入前から導入後までに対応するメニューを用意した。

「Teachme Biz」では、導入前、導入後、実稼働後といった各フェーズにおいて、顧客の要望に応える多くのラインアップを用意した

 導入前については、「組織生産性サーベイ」を3月から提供開始する予定。昌司氏はこれを、「健康診断のように企業の業務診断を行うもの」と説明した。また2月からは、社内にカメラを導入し課題の確認を行う「オペレーションカメラ分析」も提供を予定する。これは外部のパートナー企業と連携し提供する計画だ。

 またスタディストでは、ゼロからトータルでコンサルティングを行うサービス「ゼロイチパッケージ」を用意しているが、1対1で行うコンサルティングとなるためコストが高くなることから、廉価版として、オンラインで複数企業に対するコンサルティングを行う「ゼロイチオンライン」を、2022年4月から提供する。

 さらにTeachme Bizにとどまらず、「当社のことをそれだけよく知っているのだから、BPOをあわせて提供してほしいというニーズもあるため、BPOサービスも提供する」(鈴木氏)という。

Teachme Bizの導入前、導入後、実稼働後といった各フェーズにおいて、顧客の要望に応える多くのサービスラインアップを用意した

 なお、コンサルティングを要望する企業は、大企業と、自社でマニュアル導入ノウハウがない従業員数100人以下の企業に二極化されているが、業種については幅広く特定業種だけに限らない。顧客との接点を強めることにもつながることから、スタディストでは、コンサルティングを成長戦略事業として展開していく計画だ。

 売上としては、2023年2月期決算で1億5000万円を目指す。現在、コンサルティング業務に携わるスタッフは20人程度だが、要望が多かった場合には増員することも計画している。