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NECの工場向け新ソリューション、カメラに映る「手」の位置から組立・検査工程の効率化を支援

 日本電気株式会社(以下、NEC)は30日、工場内の組立・検査工程のカメラ映像から作業員の手や体の動きを自動で検出し、稼働状況を計測・分析することで生産性向上に貢献するソリューション「工場付加価値時間計測ソリューション」を発表した。同日より販売を開始する。

 このソリューションでは、工場内に設置されたカメラの映像から、NECの映像分析技術を用いて、作業員の手や体の動きを自動検出し、検出した時間を組立・検査工程における付加価値時間と換算して計測する。そして、計測したデータから稼働率の数値化や作業エリアごとの状況のグラフ化を行うことにより、工程間の関連性や、ボトルネックとなっている工程を分析可能にした。これにより、製造ラインの人員配置の検討や作業員の育成を通して製造ラインの最適化を支援し、生産性向上に寄与するという。

 なお一般的に、映像分析をする際は高度な画像処理が可能なGPU搭載機器が必要になるが、このソリューションでは、手・人などに特化した映像分析用の学習モデルの採用によって分析処理にかかる負荷を低減したため、汎用的なCPUを搭載した小型の機器で映像分析が可能とした。NECでは、NECプラットフォームズ製のコンパクトボックス型コントローラで動作検証を済ませている。

 さらに、システムの構築や設置場所ごとの詳細な設定も不要なことから、安価かつ短期間で導入できる点もメリットとした。

 価格は、年間70万円(税別)。NECによれば、6カ月に一度のメジャーアップデートを組み込んだライセンスモデルとなっているので、常に最新の映像解析技術を利用できるとのことだ。同社では、グローバルで3年間に1000ライセンスの販売を目標としている。

 このほか今回は、同ソリューションの販売開始とあわせて、顧客企業の製品やサービスとNECの技術を組み合わせてビジネスの創出を目指す取り組み「NEC共創コミュニティ for Partner」に、「NEC共創コミュニティ for Industrial Technology」を追加した。今後は、同ソリューションで取得したデータと設備側で取得できるログを組み合わせることで、より高度な品質管理を目指すなど、技術支援や技術実証で連携を実施し、顧客企業とともにビジネス拡大に取り組むとしている。