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「ミスターミニット」経営のミニット・アジア・パシフィック、オラクルのSaaSで新しい連結経営管理基盤を構築

 日本オラクル株式会社は8日、ミニット・アジア・パシフィック株式会社が、オラクルのSaaS型経営管理ソリューション「Oracle Fusion Cloud Enterprise Performance Management(EPM)」を採用し、新しい連結経営管理基盤を構築したと発表した。グローバル拠点の決算業務プロセスを標準化して、迅速な連結決算報告を行うことが目的という。

 ミニット・アジア・パシフィックは、靴修理などのリペア・サービスの全国チェーン店「ミスターミニット」を運営する企業。1957年にベルギーで創業されたミスターミニットは1972年に日本に上陸していたが、2006年にMBOにより欧州のミニット・グループから独立し、アジア太平洋地域(日本、豪州、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア)を統括するミニット・アジア・パシフィック株式会社として事業を展開している。

 その同社では、海外子会社を含む連結財務諸表を作成する際に、従来は表計算ソフトウェアで各国の財務データを収集し、日本本社で手作業による集計、各種連結処理、レポート作成を行っていたため、作業に時間が掛かり、収支状況の把握に約10営業日を要していたという。また、各国で表計算ソフトウェアをカスタマイズしているので、業務の可視化ができず、日本本社のガバナンスが効きづらい状態だったとのこと。

 そこで、属人化の排除、決算報告の標準化と早期化、本社のガバナンス向上を目指して、連結決算業務の見直しを決定。利用者の多くが海外子会社に所属しているため、グローバル対応であることを重視して新システムを選定した結果、国内外で多数の実績を持ち、高い評価を得ている「Oracle Hyperion Financial Management」のナレッジを集約したクラウドサービス「Oracle Fusion Cloud EPM」を採用。業務を標準化してガバナンスの向上につなげることにした。

 また、グローバル対応にリソースを割く必要がない点、日本本社のIT部門の負荷が少ないSaaSで提供されている点、ベストプラクティスを内包する連結経営管理テンプレートを活用し、日本の制度連結も含めた標準化されたプロセスに沿ったパッケージとして提供されるため、導入期間の短縮と開発コスト削減に寄与する点なども評価されている。

 ミニット・アジア・パシフィックでの導入プロジェクトは、日本オラクルのコンサルティングサービス部門によって2020年5月から開始され、同年10月に日本本社での稼働を開始した。現在は海外拠点に展開中の段階で、2021年4月の本格稼働開始を予定している。

 同社は、こうして日本と海外拠点の決算業務プロセスを標準化・効率化し、連結決算報告に要する時間を約3分の1に短縮することを目指している。さらに、既存店成長率や店舗数などの非財務情報であるKPIも、「Oracle Fusion Cloud EPM」上で一元管理するとのことだ。