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国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場予測、2019年~2024年の年間平均成長率はマイナス3.6%~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は15日、国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場の予測を発表した。国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場全体では、2019年~2024年の年間平均成長率はマイナス3.6%と予測している。

 配備モデル別に見た2019年~2024年の年間平均成長率は、プライベート向けイーサネットスイッチが1.7%、パブリッククラウド向けイーサネットスイッチがマイナス0.7%となる一方、クラウド以外のトラディショナルデータセンター向けはマイナス7.7%と大幅な減少を予測している。

 IDC Japanでは、データセンター向けイーサネットスイッチ市場は変化を続けており、最も大きな変化は、アプリケーション/ワークロードのクラウドシフトと、それに伴う購入者の変化だと説明。クラウドシフトの進展に伴い、イーサネットスイッチの配備先も、トラディショナルなデータセンターから、パブリッククラウドやプライベートクラウドに重心が移っており、グローバルスケールのクラウド事業者が、データセンター向けイーサネットスイッチの購買力を高めているとしている。

 もう一つの市場変化は、パブリッククラウド事業者を始めとするハイパースケーラーの影響力拡大がもたらしたデータセンターネットワークアーキテクチャの変化にあると説明。ハイパースケーラーが求める拡張性、導入の迅速性、リソースの効率化利用を実現するデータセンターネットワークアーキテクチャとして導入してきたLeaf & Spineアーキテクチャやレイヤー3ファブリックが、より広いユーザー層に普及してきていると分析している。

 また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響は、データセンター向けイーサネットスイッチ市場にも及んでおり、短期的にはオンプレミスの企業ITシステム向けを中心に市場が大きく落ち込むと予測。2020年のトラディショナルデータセンター向けイーサネットスイッチの前年比成長率はマイナス16.1%、より成長の潜在力の高いプライベートクラウド向けもマイナス5.4%と、初めてマイナス成長に転じると予測している。

 IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、「データセンター向けイーサネットスイッチベンダーは、ポストコロナ時代に適合したオンプレミスデータセンター向け製品戦略構築を進めるべきである。簡易で廉価なレイヤー3ファブリック構築ソリューションの強化に加えて、レイヤー3ファブリックに移行できない、または移行しない企業に対して、トラディショナルなデータセンターネットワークアーキテクチャに対応した製品を提供し続けるいわゆる『逆張り』戦略も取り得る戦略である」と述べている。

国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場 支出額予測、2018年~2024年(出典:IDC Japan)