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2020年の国内パブリッククラウド市場規模は前年比15.3%増、企業のIT投資抑制が影響し従来より伸びは鈍化

~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は14日、国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表した。それによると、2020年の同市場規模は、前年比15.3%増の1兆89億円になると予測されている。

 国内市場では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、「テレワークの導入」「デジタルビジネスの強化」など、喫緊の業務課題が生まれており、この解決のためにパブリッククラウドサービスを活用する企業が増加しているという。一方で多くの企業がIT投資を抑制しており、導入プロジェクトの遅延も見られることから、2020年の国内パブリッククラウドサービス市場は従来よりも成長が鈍化しているとのこと。

 また現在は、継続的に多様かつ大きな変化が短期間に起こる「ネクストノーマル」時代を迎えようとしている中で、業務を維持するための「事業継続」から、市場環境の変化に対応する「ビジネスレジリエンスの強化」へと、これまで以上にIT、特にクラウドの活用を検討する企業が増加している。

 さらに、“クラウドジャーニー”を中核としてIT戦略を強化する企業が見られるが、IDC Japanでは、クラウドジャーニーでは「文化」「組織」「人材/スキル」の変革や強化が重要となるため、企業には多くの課題があるほか、企業のクラウドジャーニーを支援するベンダーの体制も十分ではないと指摘。

 2021年の国内パブリッククラウドサービス市場は、需要の拡大はあるものの、これらの課題によって成長が抑制されると予測している。

 一方、2022年以降は、人材/スキルの不足を補うツールの発展や産業ノウハウの活用したソリューション化が進み、国内パブリッククラウドサービス市場は成長を加速させるとの予測を示した。

 こうした市場の動向を踏まえ、IDC Japanでは、2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR)は18.6%で推移し、2024年の市場規模は2兆567億円まで拡大する見込みとしている。

国内パブリッククラウドサービス市場 売上額予測、2019年~2024年(出典:IDC Japan)