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国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場シェア、VMwareとシスコが市場をリード~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は3日、SDNに代表されるネットワーク仮想化/自動化の主要構成要素である国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場に関する2019年のベンダーシェアを発表した。調査によると、2019年もVMware(ヴイエムウェア)とシスコシステムズが市場をリードし、売上、シェアともに伸ばしている。

 ヴイエムウェアは、ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場を提供形態別で分類したNVO(Network Virtualization Overlay)ソフトウェア市場において、2019年は76.9%のシェアを占めており、2019年も国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場におけるリーディングベンダーの地位を保った。同社のVMware NSX Datacenterをすでに導入している顧客が、これまでの実績と導入効果を評価し、新たなデータセンターへの展開やプラットフォーム更新時に導入を拡大しており、これが成長につながっていると分析している。

 もうひとつのリーディングベンダーであるシスコシステムズのネットワーク仮想化/自動化ソリューションについては、データセンターネットワーク向けのCisco ACIと企業ネットワーク向けのCisco DNA Centerで構成されており、2019年はいずれのソリューションも売上を伸ばし、シェア拡大に寄与したと分析。Cisco ACIは、データセンターネットワーク向けで安定した地位を保っており、Cisco DNA Centerは、同ソリューションが実現するIntent-based Networkingに対する顧客からの共感が広がっていることに加えて、より身近な課題解決やネットワーク運用管理効率化を目的とする導入も成長を牽引しているという。

 また、データセンターネットワークでは、拡張性や柔軟性、迅速性を高めるIPファブリックやEVPN(Ethernet VPN)-VXLAN(Virtual eXtensible LAN)の活用が進んでいると説明。そうした中では、レイヤー3ファブリックにいち早く取り組んできたアリスタネットワークスが存在感を高め、さらにはIPファブリック/EVPN-VXLAN構築、運用に特化したアプストラのような専業ベンダーも登場していると分析している。

 IDC Japan コミュニケーションズのグループマネージャーである草野 賢一氏は、「ネットワーク仮想化/自動化ベンダーは、ポストコロナで見込まれるクラウドシフトの加速やリモートワークの常態化に適合したネットワークの姿を描き出すべきである。そして、『クラウド中心』『リモートワークとオフィスに同等のセキュリティと快適性』を、ネットワーク仮想化/自動化ソリューションがどのように実現できるのかをいち早く市場に打ち出すことが求められている」と述べている。

国内NVOソフトウェア市場、コントローラーアプライアンス市場 ベンダー別 売上額シェア、2019年(出典:IDC Japan)