ニュース
Western Digital、エンタープライズ/データセンター向けHDDに16TB/18TBの製品を投入
2020年7月10日 17:29
米Western Digitalは9日、エンタープライズクラスサーバーやストレージシステム向けのストレージ製品「WD Gold」シリーズに、16TB CMR HDDおよび18TB CMR HDD製品を追加し、提供を開始した。
WD Goldシリーズに新たに追加された16TBおよび18TB HDDは、低電力で大容量を実現するHelioSeal技術を採用したHDD製品。システムインテグレーターや、大企業(エンタープライズ)、中小企業(SMB)向けに、従来のデスクトップクラスのHDDに比べてより信頼性の高い、ビッグデータやエンタープライズストレージワークロード向けのストレージを提供する。
ウエスタンデジタルでは、WD Gold CMR HDDは5年間の製品保証で、3.5インチHDDとして最高水準の最大550TB/年のワークロードに対応。エンタープライズクラスサーバーやストレージシステムに特化して設計されており、高負荷で多様なビッグデータアプリケーションに適するとしている。
また、3月から特定のハイパースケール/エンタープライズOEM顧客に提供してきた「Ultrastar DC HC550 CMR HDD」の16TBモデルと18TBモデルについて、クラウドや大規模エンタープライズ顧客、その他のデータセンター設計業者に提供を開始した。「20TB Ultrastar DC HC650 ホストマネージドSMR HDD」は、引き続き認定用サンプルを提供する。
Ultrastar DC HC550 CMR HDDの16TB/18TBモデルを搭載する、「Ultrastar Data60/Data102」および「Ultrastar Serv60+8」ストレージサーバーも発表した。4Uサイズで最大1.836PBを実現するこれらのプラットフォームは、5年間の製品保証で提供。「Ultrastar DC HC650 20TB SMR HDD」を搭載したUltrastarプラットフォームも、来四半期に提供開始予定としている。
Ultrastar Data60/Data102は次世代の分散ストレージやSDSインフラストラクチャの重要な構成要素となり、HDDおよびSSDの組み合わせを柔軟に設定できる最大24ドライブスロットが利用可能。Ultrastar Serv60+8はコンピュート機能を搭載した大容量ハイブリッドストレージサーバーで、CPU、メモリ、ドライブを選択できる。
Western Digitalでは、これらのプラットフォーム全体に対してデータ信頼性を向上させるため、ドライブ特性やシステムに関する知識を活用した2つのデザインイノベーションを採用したと説明。同社が特許を持つIsoVibe振動分離技術により、高負荷時においても一貫したパフォーマンスを維持することができ、さらにArcticFlowサーマルゾーン冷却技術により、従来のシステムに比べて、ドライブをより低くかつ安定した温度下で稼働できる。
これらの技術により、ファンの回転速度を下げることでき、振動の低減や、電力消費・静音性が向上、最終的に信頼性も向上。Western Digitalのこれまでの世代のプラットフォームと比べると、IsoVibeとArcticFlowの組み合わせにより、ドライブのフィールドリターン率を62%低減することが確認されているという。