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国内エンタープライズインフラ市場はクラウドへのシフトが加速、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は10日、国内エンタープライズインフラ市場のシステムタイプ別予測を発表した。2020年の国内エンタープライズインフラ市場は前年比7.1%減の7069億6800万円、2024年の同市場は7028億2200万円で、2019年~2024年の年間平均成長率はマイナス1.6%と予測している。

 IDC Japanでは、サーバーとエンタープライズストレージシステム(ExternalおよびStorage Expansionのみ)を合算した国内エンタープライズインフラ市場について、システムタイプ別、配備モデル別(Cloud/Traditional)に予測を行っている。

 国内エンタープライズ市場については、2020年~2023年はマイナス成長となるが、2024年にプラス成長に復帰すると予測。システムタイプ別の2019年~2024年の年間平均成長率は、SoR(System of Record)がマイナス3.5%、SoE/SoI(System of Engagement/System of Insight)がマイナス0.2%、Other(システム基盤プラットフォームと機器/制御システムの合算)がマイナス0.4%と予測している。

国内エンタープライズインフラ市場 システムタイプ別 支出額予測、2019年~2024年(出典:IDC Japan)

 2020年の国内SoR向けエンタープライズインフラ市場については、配備モデル別の分類では、SoR on Public Cloudが前年比31.4%増の470億200万円、SoR on Private Cloudが同19.2%増の241億5300万円、SoR on Traditionalが同22.7%減の1928億3300万円。2019年~2024年の年間平均成長率は、SoR on Public Cloudが9.1%、SoR on Private Cloudが10.2%、SoR on Traditionalがマイナス7.7%と予測している。

 2020年の国内SoE/SoI向けエンタープライズインフラ市場については、配備モデル別の分類では、SoE/SoI on Public Cloudが前年比23.5%増の231億6500万円、SoE/SoI on Private Cloudが同15.8%増の152億700万円、SoE/SoI on Traditionalが同32.3%減の434億4000万円。2019年~2024年の年間平均成長率は、SoE/SoI on Public Cloudが9.1%、SoE/SoI on Private Cloudが10.9%、SoE/SoI on Traditionalがマイナス7.2%と予測している。

 2020年の国内Otherシステムタイプ向けエンタープライズインフラ市場については、配備モデル別の分類では、Other on Public Cloudが前年比30.6%増の1038億4500万円、Other on Private Cloudが同13.8%増の407億9200万円、Other on Traditionalが同11.3%減の2165億3100万円。2019年~2024年の年間平均成長率は、Other on Public Cloudが8.6%、Other on Private Cloudが9.3%、Other on Traditionalがマイナス6.4%と予測している。

 IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャグループマネージャーの福冨里志氏は、「2020年に入ってからの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行によって、多くの企業や組織におけるIT投資余力の低下やトラディショナルからクラウドへのシフトの加速が見込まれる。サプライチェーンの一時的断絶による供給不足よりも、需要サイドの変化が中長期的に国内エンタープライズインフラ市場へ与える負の影響が大きい」と述べている。