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SCSK、株式会社キリウに向け生産管理テンプレート「atWill Template」をベースとした生産管理システムを構築

 SCSK株式会社は5日、株式会社キリウに対して、製造業向け生産管理テンプレート「atWill Template」をベースに生産管理システム「G-KIPRO」を構築したと発表した。

 キリウでは、自動車のブレーキディスクとブレーキドラムの開発製造を専門に行っており、国内に本社を含む4拠点、海外も米国や中国など9拠点にわたってグローバルに展開している。

 キリウでは、工程内の無駄を徹底排除した効率的な一貫生産の仕組みとなる「一気生産」というモノづくりに対するアプローチを重視しており、さらなる「一気生産」の推進には一元的な生産管理システムが必要だったものの、社内に存在するツール、データが多種多様であり、既存のパッケージ製品では、現場の声を活かしたカスタマイズを実現するには開発期間、コストともに膨大になる懸念があったという。

 こうしたことから、パッケージよりも柔軟に機能開発ができる生産管理テンプレートのatWill Templateを活用した、新たなシステムとなるG-KIPROの開発を実施するに至った。

 atWill Templateは、製造業にとってベースとなる機能をテンプレートとして提供されるため、使いたいテンプレートを組み合わせ、カスタマイズしてシステムを構築できる。

 キリウでは、以前から原価管理にatWill Templateを利用していたが、さらにG-KIPROにも活用することで、統一したシステムを構築。全社で販売や生産、在庫などを見える化することで、複数のツールの併用により各業務が分断されるといった課題を解決した。

 また、生産管理パッケージ製品では、カスタマイズにコストと時間がかかり、現場の声の反映が困難だったが、カスタマイズ性の高さと容易さにより細かい要望にも対応。また、工場ごとに異なるツールを利用しており、データの連携が難しく、作業者の手作業が発生しているといった課題にも、一元的に統一された生産管理システムにより、工場間の連携を自動化できたという。

 システムは、2018年12月からキリウの国内生産拠点(3拠点)で稼働しており、本番稼働から1年が経過し、生産指示から実績までの作業工程数を13工程から5工程へと削減でき、さらに転記ミスもゼロを達成。合わせて、出荷する現物製品とデータの即時チェックを行うことで、作業時間を3分の2に短縮し、出荷ミスゼロも達成するといった導入効果が得られたとしている。