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NEC、AIシステムの構築・開発に適用するガイドラインを策定 品質担保のために利用

 日本電気株式会社(以下、NEC)は10日、AI(機械学習)を活用したシステムの品質を担保するため、「NEC AI品質ガイドライン」を策定したと発表した。NECグループ会社5300人が情報交換・共有を行う「NEC Data Analyst Community」で共有し、2020年4月以降のAI案件に適用するとしている。

 このガイドラインは、従来型のソフトウェア品質保証だけでは対応できない、AIシステムの品質担保を目的としたもの。

 AIシステムの構築・開発は、演繹(えんえき)的ではなく帰納的な手法で進める必要があり、開発の際に試行錯誤を伴うものの、テストやレビューなど、品質の十分性を測定する技法がなく、AIエンジンの仕様や分析結果を出すまでの過程について、人間による解釈が困難な場合もあるため、従来のソフトウェア品質保証に関するガイドラインだけでは対応が困難だったという。

 そこで、これらの対応に必要なAI応用システムの開発経験と、従来のソフトウェア品質保証のスキルを両立できる高度なスキルセットを持つNECでは、今回、その両方の観点から自社のノウハウをガイドラインとしてまとめ、今後のAIシステム開発を下支えできるようにしたとのこと。

 AIを用いた開発では、通常のソフトウェア開発フェーズに加え、システムの企画(PoC)や、データの収集/加工、モデルの作成/評価/テスト、システム運用が重要となることから、この特徴的な4つのフェーズに対して具体的基準を策定している。このガイドラインを用いて、各フェーズ間を移行する際にチェックを行うことで、次フェーズで発生する恐れのあるリスクを早い段階で防止できるという。

AIシステムのフェーズごとにチェック項目を設定

 また、これまでに数多くのAIシステム開発を行ってきた経験を基に、機械学習のモデル作成用データの量や外れ値・欠損値など、いくつかの項目に定量的基準を定めた。こうして基準を明確化することで、第三者による判断が可能になるとしている。