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設備稼働時の騒音測定や早期の異常検知に対応、日立パワーソリューションズの「リアルタイム騒音監視システム」

リアルタイム騒音監視システムの構成概略図

 株式会社日立パワーソリューションズは25日、工場や発電所で発生する騒音を常時測定する「リアルタイム騒音監視システム」を、同日より提供開始すると発表した。クラウドサービスとしての提供に加えて、ユーザー企業のハードウェアを使ったオンプレミス形式の構成にも対応している。

 「リアルタイム騒音監視システム」は、工場や発電所の設備稼働による騒音を複数個所で常時測定し、評価対象の騒音の大きさや周波数のトレンドを可視化するソリューション。従来は担当者が巡回して測定する必要があった複数地点での騒音を、常時無人で測定できるほか、有線または無線LANを経由して、遠隔地から測定データをリアルタイムに共有することも可能にしている。

 測定データは、騒音レベルのトレンドと周波数分析結果のトレンドとして表示でき、音の大きさと音色の変化を可視化可能。騒音レベルの大小や、それらの継続時間などの条件を設定してのアラート配信も行え、画面への警告表示、スマートフォンなどへのメール配信、パトライトの点灯制御などで騒音異常を通知する仕組みを備えた。

騒音レベルと周波数成分のトレンド

 また収集したデータに機械学習を適用して、事前にシステムに入力しておいた、正常時における設備稼働音の周波数情報と照らしあわせることによって、正常稼働時の騒音と異常時の騒音を自動で識別し、設備異常の早期発見を支援するとのこと。

 機械学習で得られる異常尺度は、設備とは無関係な突発的な周囲騒音によっても増加するが、設備由来の異常音は一定期間発生し、異常尺度が連続して大きな値を示すことから、この尺度の挙動で設備の異常音を検出する。

異常診断の概念図
測定した元データ(青線)と、設備の正常時の稼働音(赤点)を識別して表示した例

 なお異常尺度を利用し、対象騒音の評価に障害となる音の発生時間帯を識別させれば、突発的な周囲騒音(評価対象外音)がある中でも、正常稼働音の発生状況を効果的に評価することが可能とのことだ。

 「リアルタイム騒音監視システム」の価格は個別見積もり。日立パワーソリューションズでは、ユーザー企業の要望に応じた測定点選定から、機器構成立案、システムの要件整理、システム構築、システム運用開始後の運用・保守サービスまで、トータルにサービスを提供可能としている。