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DNP、オンラインの本人確認「eKYC」機能をアプリに組み込む開発キットを発売

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は25日、銀行口座の開設などで必要となる本人確認手続きをオンラインで完結できる「eKYC(Know Your Customer)」の機能を、自社のアプリなどに組み込むだけで利用可能になるソフトウェア開発キット(SDK)を10月末に発売すると発表した。

 従来、銀行口座開設などで本人確認を行う場合、申請者が必要な書類を郵送して、金融機関が審査した上で、申請者に確認用の資料を送付するといった時間と手間がかかっていた。これに対して、オンラインで本人確認が完結するeKYCの導入が進められてきたが、2018年11月に公示された「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)施行規則の一部を改正する命令」の中で、「オンラインで完結する自然人の本人特定事項の確認方法」が追加されたことにより、eKYCの本格運用が可能になった。

 DNPでは2018年4月に、金融機関などとともに「本人認証・本人確認アプリ」の実証実験を開始し、同アプリの提供を推進してきた。この「オンラインで完結する自然人の本人特定事項の確認方法」に準拠したeKYC機能を、自社のアプリに組み込みたいというニーズが拡大しているとして、今回、需要に対応するSDKとして発売する。

 DNPが発売する「eKYC」SDKは、「オンラインで完結する自然人の本人特定事項の確認方法」で規定された要件に対応する。本人確認書類の顔画像と撮影した顔写真を照合することで本人であることを確認する機能を備え、運転免許証、マイナンバーカード、在留カードの3種類の本人確認書類に対応可能。カスタマイズ性の高いSDKでの提供となるため、本人確認の機能を企業のさまざまなサービスに容易に導入できる。

 また、オプションとしてOCRによる文字の検証や、DNPの運転免許証の真贋判定を補助するサービス、高いセキュリティ機能を持つ環境で24時間・365日対応するDNPの「申込情報確認BPO」と組み合わせることも可能となっている。

 DNPでは、利用者と対面せず、オンラインでの本人確認を必要とする企業に対して「eKYC」SDKを提供し、eKYC関連の事業全体で2023年度に5億円を目指すとしている。また、10月24日~25日に東京国際フォーラムで開催される金融国際情報技術展「FIT2019」のDNPブースに、「eKYC」SDKを展示する。