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NTTテクノクロス、豚を撮影するだけで体重推定できる「デジタル目勘」

 伊藤忠飼料株式会社とNTTテクノクロス株式会社は2日、小型で軽量な豚体重推定システム「デジタル目勘(めかん)」を共同開発し、10月9日から伊藤忠飼料の販売ルートで発売すると発表した。

 デジタル目勘は、撮影した豚の画像から体重を推定するAndroidスマートフォンアプリとして、2017年4月から伊藤忠飼料とNTTテクノクロスが共同開発に着手。2018年4月からの提供を予定していたが、仕様を満たすスマートフォンが終売となったため、提供を延期していた。

 このため、両社は豚の3Dデータを撮影可能なカメラを搭載した専用の小型端末を独自開発。使い勝手や精度を高めた体重推定ソフトウェアをプリインストールした一体型システムとして販売を開始する。

デジタル目勘 システムイメージ
利用イメージ

 デジタル目勘は、豚を個別に撮影するだけで体重推定が可能で、携帯できる小型軽量端末の豚体重推定システムとしては世界初となるという。豚の体重については、目視による推測(目勘)は推定精度にバラつきが多く、一方で体重計に追い込む従来の体重測定は重労働となるが、デジタル目勘は技術や経験に関係なく、手軽に斉一的な体重結果を表示する「推定機」という新ジャンルを提案するとしている。

 端末は約837gと片手で持てる軽量設計で、交換式充電池1本で2.5時間駆動、利用時は通信不要のスタンドアロンで動き、誰でも手軽に豚の体重を推定できる。NTTグループのAI技術「corevo」の一つであるNTTテクノクロス独自の画像認識技術と機械学習で構築した計測ロジックにより、2.8秒で豚の形状から体重を推定し、誤差4.5%を実現。ソフトウェアは発売後も継続して改良を実施し、精度向上や新たな機能が追加された場合も、購入者は無償でバージョンアップを受けられる。

 デジタル目勘の価格(税別)は、ソフトウェア利用料が1台あたり月額1万5000円、端末本体が1台あたり51万8000円。