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富士通、長野市にジビエ商品管理システムを提供 安心・安全なジビエ供給をICTで支援

 富士通株式会社は4日、長野県長野市が開設した長野市中条地区のジビエ肉処理加工施設「長野市ジビエ加工センター」向けに、ジビエ商品管理システムを構築したと発表した。4月1日の施設開設にあわせて稼働を開始したという。

 長野市では、野生鳥獣による農作物被害対策の一環として、捕獲したイノシシとニホンジカを新たな地域資源として活用する取り組みを推進している。同市は従来、ジビエ肉の加工を民間の専門施設が担っていたが、ジビエ肉は野生鳥獣の狩猟を主軸とするため、安定的な供給や、高品質化、一般消費者からの安心・安全への要求への対応などに課題があったとのこと。

 そこで、市内全域のジビエ肉を一括で運用・管理できるよう、ジビエの受入から加工、販売までを一貫して行うジビエ肉処理加工施設の長野市ジビエ加工センターを開設した。

 今回、富士通が同センターに提供したジビエ商品管理システムは、富士通の畜産農家向けソリューション「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド Akisai 肉牛生産管理SaaS」のノウハウをベースに、捕獲状態などに応じた管理への対応など、ジビエ特有の個体管理機能を構築した。

 さらに、生産法人向けソリューション「Akisai 農産加工販売SaaS」で培ったノウハウを活用し、加工から販売過程のシステムを構築することで、ジビエを一元管理するシステムを実現したとのことだ。

 また、農林水産省の「国産ジビエ認証制度」、および長野県と信州ジビエ研究会の「信州産シカ肉認証制度」に準拠しており、持ち込まれたジビエについて、受入から加工、販売までを一気通貫で個体管理することにより、より精度の高いトレーサビリティを実現するという。

 なお同システムでは、管理するジビエのトレーサビリティ情報を消費者が容易に確認できるよう、商品に張り付けるラベルにQRコードを記載することも可能なため、「顔が見えるジビエ」として、より信頼性を高められるとしている。

ジビエ商品管理システムによるジビエの個体管理の流れ