ニュース

NTT東日本ら4社、訪日外国人観光客に向けた飲食店プロモーションの共同実験

築地場外市場と函館にて実施

 東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)、株式会社アクアビットスパイラルズ、エプソン販売株式会社(以下、エプソン)、株式会社エヌケービー(以下、NKB)の4社は11日、築地場外市場(Smart Refund築地場外市場、築地魚河岸)、函館(函館ベイエリア、函館朝市どんぶり横丁市場)において、訪日外国人観光客に向けた飲食店プロモーションの共同実験を同日より開始すると発表した。

 訪日外国人観光客が増加するエリアの飲食店では、現在、サイネージを活用した多言語でのプロモーションのニーズはあるものの、サイネージ用大型モニタなどを店舗内外に設置するスペースの確保が課題になっているという。

 また訪日外国人観光客は、飲食店街などでお店を選ぶ際に、店舗前に置かれたメニュー表やサンプルだけではお店の情報が十分に取得できず、お店選びを迷っているケースがあるとのこと。さらに入店後は、メニューが読めない、店員との意思疎通が難しく不満を抱いている、といった課題も存在しているとする。

 そこで今回の取り組みでは、飲食店などに向け、夜間を中心に、これまでプロモーションに利用しにくかった店舗ガラス面にスクリーンフィルムを張り、NTT東日本のサイネージソリューション「ギガらくサイネージ」でコンテンツを投影することによって、低廉で手軽な、省スペースサイネージ環境を実現するという。

 あわせて、スクリーンフィルムと同場所に設置する「スマートプレート」に来店客のスマートフォンなどを近づけてもらうことで、スクリーンフィルムに表示されているサイネージコンテンツの詳細情報を、多言語で即座に取得できるサービス(以下、連動型クラウドサイネージ)を提供。送客促進による飲食店の集客拡大に向けた飲食店プロモーションの実証実験を行う。

 また画像認識AIの活用により、保有のスマートフォンをお店にかざすだけで、画像認識AIの活用により、そのお店の情報が多言語で手軽に取得できるサービスを提供するとした。

 4社ではこれらの取り組みを通じて、技術検証および集客拡大についての効果測定を行う。

 具体的には、築地の場合、築地魚河岸およびSmart Refund築地場外市場のガラス面にスクリーンフィルムを設置し、店舗プロモーションや来訪者へのアナウンスなどのコンテンツ映像をプロジェクタで投影する。

 またSmart Refund築地場外市場では、連動型クラウドサイネージを活用してプロモーション映像とクーポンを配信するが、晴天時は外貨両替手数料クーポンを、雨天時には傘の割引クーポンをそれぞれ配信するといったように、晴天時と雨天時で配信する情報を切り替える。

 一方の函館では、いかいか亭および西波止場のガラス面にスクリーンフィルムを設置し、店舗プロモーションや函館関連情報を投影する。また連動型クラウドサイネージでは、両店舗間の回遊を促進する相互送客クーポン配信の仕組みを提供するとした。

 このほか、函館ベイエリア、どんぶり横丁市場、函館駅周辺、五稜郭周辺、などでは、スマートフォンのカメラアプリをリーフレットや店舗看板にかざすと、お店のメニューなどの情報が多言語で得られる「かざして案内」を提供。訪日客の送客効果や利便性向上度などを調査するとしている。

 なお。かざして案内の実施は3月22日まで。

「かざして案内」を活用した飲食店プロモーション

 実証実験において、NTT東日本はネットワーク環境とクラウドサイネージ環境を、アクアビットスパイラルズは「スマートプレート」をそれぞれ提供。プロジェクターの選定・施工はエプソンが実施する。

 またNKBは、実証実験参加店舗の開拓、コンテンツ制作・プロモーションなどのトータルコーディネーションを担当している。