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NEC、OKIなど5者、製造・物流現場でのAIによる交渉で業務効率を向上する「AI間連携基盤技術」のNEDO事業に採択
2018年12月5日 16:07
日本電気株式会社(以下、NEC)、沖電気工業株式会社(以下、OKI)、国立大学法人東京農工大学、豊田通商株式会社、国立大学法人東京大学の5者は5日、「AI間連携基盤技術」に関する国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の公募事業に採択されたと発表した。
事業は、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術」の研究開発項目で、中央大学法学部の工藤裕子教授、東京大学大学院工学系研究科の和泉潔教授、名古屋工業大学大学院工学研究科の大塚孝信准教授、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同実施する。
研究開発では、AIが交渉プラットフォームを介して、数百・数千という企業の中からの取引先候補の探索と、発注者と受注者の双方が合意できる価格や納期の探索を行うことを想定。取引条件の探索は、標準化されたプロトコル、データ形式、語彙定義を用いて、相互に取引条件案の提示と受諾可否の回答(交渉)を行うことで実行され、双方合意できる条件が発見できた場合は、契約するかどうかの最終判断を人間であるユーザーに仰ぐ。成立した契約は、製造現場や物流現場で履行される。
AI間連携技術を適用することで、たとえばバリューチェーン上で製造システムや物流システムを稼働させている各企業がそれぞれエージェントとなるAIを持ち、これらのAIが協調・連携動作を行うことで、発注者と受注者の双方にとってメリットとなる取引相手・取引条件がすみやかに発見できるようになる。これにより、各企業の利益を増大しつつ、企業間取引の社会全体における効率化・柔軟化を並行して実現できるとしている。
研究開発では、AI間連携の社会実装に必要な原理・基盤・制度および、業務システムとの統合技術や各種プロトコル、リファレンスアーキテクチャなどを開発。また、提案者以外の企業や団体にもアドバイザーとして参加してもらい、ユースケースのターゲティングや詳細化を行っていく。さらに、研究開発成果の普及促進のために、国際的な標準化やマーケットプレイスの構築などに取り組む。
NEC、OKI、東京農工大学、豊田通商、東京大学大学院情報理工学系研究科は、2018年度から2022年度までの間に研究開発に共同で取り組み、これによりAI間連携によるバリューチェーンの効率化・柔軟化を実現し、我が国の産業競争力強化に資することを目指すとしている。