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リコーとソフォス、「RICOH サイバーセキュリティパック」を発表
小規模事業所のセキュリティをまるごと支援するマネージドサービス
2018年9月13日 06:00
リコージャパン株式会社とソフォス株式会社は12日、小規模事業所のセキュリティをまるごと支援するマネージドサービス「RICOH サイバーセキュリティパック」を9月21日より販売開始すると発表した。AIを活用した高度なマルウェア検知・駆除と、オンサイト対応による導入設置や業務再開支援をワンストップで提供するという。
また、同日に行われた会見では、両社が共同で小規模事業者のサイバーセキュリティ対策を支援する背景や、新たに提供する「RICOH サイバーセキュリティパック」のサービス概要について説明した。
10人以下の小規模事業所向けに開発
「RICOH サイバーセキュリティパック」は、ソフォスが持つ先進のAI技術とリコージャパンのセンター&オンサイト保守を組み合わせ、これまでセキュリティ対策が十分に行えていない10人以下の小規模事業所向けに開発したマネージドセキュリティサービス。
複数のセキュリティ機能を1台に集約したUTM(Unified Threat Management:統合脅威管理装置)の導入設置から遠隔監視、マルウェアの検知・駆除、通知、顧客先でのデータ復旧までをパッケージ化して提供することで、小規模事業者のサイバーセキュリティ対策をトータルで支援する。
リコージャパン 執行役員 ICT事業本部 副事業本部長の山口畝誉氏は、中小企業におけるセキュリティ対策の現状について、「当社が中小企業を対象に行った調査によると、多くの企業がサイバーセキュリティ対策の強化に取り組んでいるものの、『見直しを検討している』『うまくいっていない』など、対応が不十分と認識している企業が約7割を占めていた。また、インシデント発生時の対応準備についても、同じく約7割が対応準備が不十分であることがわかった」と指摘する。
「特に、小規模になるほど投資も限られ、脆弱なセキュリティ環境になっているのが実情であり、そうした企業からは、安心・安全、かつ手間のかからない低価格なセキュリティパッケージが求められている。しかし、現時点では、このニーズに応えられるパッケージは存在せず、個別のセキュリティサービスを組み合わせて提供するしかない。そこで今回、当社とソフォスが協力し、小規模事業所のセキュリティ対策をまるごと支援する国内初のマネージドサービス『RICOH サイバーセキュリティパック』を提供する」と、小規模事業所にフォーカスした新サービスを提供する背景を説明した。
「RICOH サイバーセキュリティパック」の主なサービス内容としては、(1)まもる、(2)見つける、(3)知らせる、(4)かけつける、(5)復元する――、の5つのセキュリティ機能をワンストップで提供する。
「まもる」では、インターネットの出入り口で不正通信を防御。「見つける」では、AIを活用してマルウェアを検知し、自動で対象のデバイスをネットワークから隔離して駆除する。「知らせる」では、インシデントの発生や修復、復旧をセンターから連絡。「かけつける」では、訪問が必要と判断した場合にカスタマーエンジニアが顧客先に訪問。「復元する」では、バックアップデータを用いてPC環境を正常な状態に復元する。
なお、「かけつける」と「復元する」のサービスについては、2019年初旬に発売する「みまもり復旧オプション」での対応となる。
同サービスにおいて、マルウェアの検知から隔離、修復、復旧までをAIによって自動化するのが、ソフォスの次世代型エンドポイントセキュリティ「Sophos Intercept X」と次世代型ファイアウォール「XG Firewall」だ。
ソフォス 代表取締役の中西智行氏は、「『Sophos Intercept X』では、先進的なディープラーニング技術をベースとしたAIを活用することで、未知のマルウェアとエクスプロイトを検知する。当社が昨年2月に買収したInvinceaの高精度なディープラーニングエンジンに、SOPHOS Labsが持つ豊富なマルウェアの知見と検体サンプルを組み合わせることで、正確な検知と高いパフォーマンスでわずか0.02秒でファイルを解析する」と、未知のマルウェアを検知するテクノロジーについて解説した。
「万一、マルウェアに感染した場合には、Synchronized Securityによって自動で駆除と復旧を行う。具体的には、『Sophos Intercept X』がランサムウェアによる攻撃を検知し、暗号化のブロックと自動復旧を実施。また、『XG Firewall』がマルウェア攻撃を検知すると、感染端末をネットワークから隔離し自動的に駆除を行う。これにより、効果的に高度なゼロデイ脅威を防御することができる」(中西氏)としている。
なお、オプションメニューとして提供する「みまもりプラン」では、リコージャパンのセンターサービスにより、24時間365日顧客のネットワーク環境を遠隔監視し、重要なマルウェア検知・復旧などの状態を通知する。
また、2019年初旬に提供する「みまもり復旧オプション」では、万一の際に全都道府県に広がる428のサービスステーションに配置された約4600人のカスタマーエンジニアが顧客先に駆けつけ、PC環境のバックアップ/リストア作業を実施する。
「RICOH サイバーセキュリティパック」の価格(税別)は、基本メニュー(UTM:Sophos XG105、導入設定、UTMのオンサイト保守5年)が39万8000円。
オプションメニューの「みまもりプラン」は、5年一括プランが6万7800円/台から、月額プランが初期費用2万2800円から、月額800円/台。