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国内通信事業者向けネットワーク機器市場規模、2018年以降は5Gに向けた投資などで反転の見込み~IDC Japan調査
2018年9月5日 11:00
IDC Japan株式会社は4日、通信事業者向けルーターと通信事業者向けイーサネットスイッチからなる通信事業者向けネットワーク機器市場の2017年実績と予測を発表した。2017年の同市場規模は、調査を始めた2008年以降最も低い水準となったが、2018年には反転し、3年間続いた市場の低迷からようやく抜け出すと予測している。
国内通信事業者向け市場は、LTEサービス向け投資が一巡した2015年以降、低迷が続いており、2017年の通信事業者向けネットワーク機器市場規模は前年比7.0%減の898億8600万円となった。
一方で、明るい兆しとしては、トラフィック増加と5Gサービス開始でさらに複雑性の増す通信事業者ネットワークにおいて、次世代化志向の胎動が見られていると指摘。2017年に見られた、次世代ネットワークの運用管理/トラフィックエンジニアリング技術として期待されるセグメントルーティングの商用環境への実装などは、次世代化志向の先駆けと言えるとしている。
2019年以降は、2018年の回復基調に5Gサービスに向けた投資も加わり、国内通信事業者向けネットワーク機器市場の2017年~2022年の年間平均成長率は6.8%と予測。ただし、5Gサービス開始という大きなイベントが控えているものの、5Gサービス開始時点では、既存LTEサービス用設備の増強が中心になるため、LTEサービス開始時ほどの設備投資が必要ないと考えられ、市場は比較的緩やかに回復すると分析している。
また、市場規模も、LTEサービス用設備投資に沸いた2011年~2014年には及ばず、2022年時点でもLTEサービス向け開始時である2010年と同水準の1250億2300万円に留まると予測している。
通信事業者ネットワークの次世代化においては、オープン化やネットワーク機器のハードウェアとソフトウェアを分離するNetwork Disaggregation、さらにはソフトウェアの内製化も現実味を帯びてきていると指摘。
IDC Japanコミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、「ネットワーク機器ベンダーは、オープン化や内製化が進んだ通信事業者ネットワークで、自社で何ができ、どこから収益を得るのかを、現実に起こり得る世界として考える時を迎えている。これまでハードウェアネットワーク機器ベンダーが一体で提供してきたハードウェア/ソフトウェア/サービスを、自らが分解して強みを見直し新たな戦略へと昇華していくことが求められる」と述べている。