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西宮市とNEC、災害対策の一環として非常時用メールシステムを「NEC Cloud IaaS」上に構築

 兵庫県西宮市と日本電気株式会社(以下、NEC)は4日、災害対策の一環として、非常時用メールシステムをNECのクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」上に構築したと発表した。

 西宮市では阪神・淡路大震災の教訓から、2021年に危機管理センター機能を有する第二庁舎のオープンを予定するなど、災害時の事業継続性の強化に取り組んでいる。また、コミュニケーション手段の確保を災害対策における重要課題として掲げており、普段から使い慣れたツールであること、かつ災害時のつながりやすさなどを考慮して、メールの可用性を高めることを検討してきた。

 西宮市とNECでは、市庁舎が被災してしまった場合を想定し、西宮市のオープンソースを利用した独自のメールシステムを「NEC Cloud IaaS」上に構築した。本番環境と同様のウェブメールシステムを構築することで、災害時にも混乱を招くことなく、職員は円滑にコミュニケーションをとることが可能になると説明。また、平常時はサーバーを休止状態にして費用を軽減できるメニューを利用することで、維持コストを抑えられるとしている。

 運用面でも、セルフサービスポータルからの簡単な操作で、サーバーの切り替えやメンテナンスが可能で、非常時用のシステムに適した環境を実現した。

 システムは2017年4月から稼働しており、2018年2月に職員を対象に実施した訓練でも、スムーズに利用できた。これにより、災害が発生した際、平常時と変わらない方法で職員間のコミュニケーションを行うことができ、外部機関との緊急連絡の継続や住民からの問い合わせ対応を円滑に行うことが可能となり、メールは兵庫県の情報セキュリティクラウドを経由しており、セキュリティ面も万全の環境となっているとしている。

 西宮市とNECでは今後、構築したシステムにおける日々の運用を通じて、災害に強い安全・安心な街づくりに貢献していくとしている。