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日立、AIを活用した学習機能により効率的な運用を可能にする「チャットボットサービス」を販売開始

 株式会社日立製作所(以下、日立)は27日、対話型ボットによる業務改革や新たな価値の創出を支援するデジタル対話サービスの第一弾として、さまざまな業種における問い合わせ対応の効率化を支援する「チャットボットサービス」の販売を開始した。価格は個別見積もり。提供開始時期は7月20日。

 チャットボットサービスは、チャットによる問い合わせに対して、企業内に蓄積されている業務ナレッジをもとに作成したFAQや業務シナリオなどから、適切な回答を自動的に返すことを可能にする。

 これにより、社内外からの問い合わせに対応するヘルプデスクやコンタクトセンターにおいて、業務負荷を軽減するとともに、24時間対応やサービス品質の向上を支援する。また、AIを活用した学習機能により、効率的に回答精度を高めることが可能なため、チャットボットの運用負担を軽減できる。

チャットボットサービスの概要図

 日立では、業務負荷の軽減や生産性向上の手段として、社内外からの問い合わせ対応を自動化するチャットボットに期待が高まっているが、チャットボットの活用にはFAQの登録や業務シナリオの作成などの事前準備に時間がかかることに加え、回答精度を高めるためには人手によるFAQや辞書データの継続的な更新を必要とするなど、運用面での課題があると説明。

 提供を開始するサービスでは、一問一答のQA対話、業務シナリオに沿って会話を進めるシナリオ対話、回答に必要な情報が不足している場合に質問者への聞き返しにより情報を補う誘導型対話の3つの対話方式をサポート。対話方式を質問に応じて適切に切り替えることで、自然な対話を実現する。

 また、日立独自のAIにより、質問における単語や言い回しの違いを自動的にナレッジとして蓄積していくことが可能で、チャットボットの運用担当者の作業負担を軽減できる。さらに、業務システムとの連携が可能で、問い合わせ対応の自動化だけでなく、業務システムへの照会、変更、登録などの作業を代行処理するチャットボットも構築できる。

 日立ではサービスの商用化に先立ち、日立グループの人事、財務のシェアードサービスを請け負う株式会社日立マネジメントパートナーにおいて、2017年11月~2018年3月に試行運用を実施。具体的には、日立グループ内の年末調整に関する問い合わせを受けるヘルプデスクにおいて、これまでのオペレーターによる電話又はメールでの対応だけでなく、新たにチャットボットを構築し、並行して運用した結果、オペレーターへの問い合わせ件数が前年度比20%減少し、ヘルプデスク業務の効率化を確認することができたという。

 日立では、今後もチャットボットサービスの機能強化および、デジタル対話サービスのメニュー拡充を図り、IoTプラットフォーム「Lumada」のソリューションコアとして幅広く展開するとしている。