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2017年の国内パブリッククラウド市場はIaaSが成長をけん引、前年比29.8%の高成長~IDC Japan

今後の成長はPaaSの発展が大きな要因に?

 IDC Japan株式会社は2日、国内パブリッククラウドサービスの市場予測を発表した。それによると、2017年の同市場規模は、前年比29.8%増の5016億円。その後も高い成長を継続し、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR)は22.9%、2022年の市場規模は2017年比2.8倍の1兆4065億円と予測されている。

 同社では、2017年の国内パブリッククラウドサービス市場が高成長を遂げた理由の1つとして、利用中のエンタープライズアプリケーションを可能な限り変更を加えることなくパブリッククラウドへ移行する、「Lift&Shift」の活性化を挙げた。こうした理由から、中でもIaaSの成長率が高く、先行して普及してきたSaaSの市場規模を超え、最大のサービスセグメントになったという。

 なお2017年の国内IT市場では、デジタルトランスフォーメーション(DX)が高い注目を集めているが、DXアプリケーションは、その開発に業務担当者の関与が必須とされているほか、優れた拡張性/柔軟性/連携性と短いサイクルでのリリースが重要な要素になっている。このため、DevOpsや、高度なプログラミング/コーディングなどを行わずにアプリケーション開発を行う「Low Code/No Code」に対する注目が高まっており、そうした背景から現在、DevOpsやLow Code/No Codeを実践する環境として、PaaSは著しく発展しているとのこと。

 また、近年高い注目を集めている「コグニティブ/AIシステム」「IoTプラットフォーム」「APIエコノミー」に対応したPaaSも、本格的な提供が始まっている。

 IDC Japanではこれらの要因から、PaaSの発展が今後の国内パブリッククラウドサービス市場の成長を促進する大きな要因になると予測している。

国内パブリッククラウドサービス市場 売上額予測、2017年~2022年(出典:IDC Japan)