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2016年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は3762億円、2021年には1兆円規模に~IDC Japan調査

国内パブリッククラウドサービス市場 売上額予測、2016年~2021年

 IDC Japan株式会社は13日、国内パブリッククラウドサービス市場の予測を発表した。2016年の市場規模は、前年比30.5%増の3762億円と推定。2021年には1兆円を超えると予測している。

 国内パブリッククラウドサービス市場については、従来型のITからクラウドへの移行が進んでおり、ウェブ系システムではIaaS/PaaSが重要な選択肢となっていくことなどから、成長を継続していると説明。一方で、一般的に新興市場では、製品/サービスの普及が進み、市場規模が拡大すると前年比成長率は「鈍化傾向(右肩下がり)」になるとして、2016年の国内パブリッククラウドサービス市場でも成長鈍化が見られたとしている。

 しかし、IDCでは、国内パブリッククラウドサービス市場は成長鈍化を乗り越えて、新たな成長期を迎えると予測。その背景には、国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)への取り組みがあり、DXが国内パブリッククラウドサービス市場の「新たな成長期」を創出することで、2020年には前年比成長率の「再上昇」へと導くとしている。

 現在、DXの実現を支援する技術として高い注目を集める「コグニティブ/AIシステム」「機械学習」「IoTプラットフォーム」などは、パブリッククラウドサービスとして提供されることが一般化しており、これらの先端技術の提供に加えて、従量課金/拡張性といった特徴から、DXを支えるIT基盤としてパブリッククラウドサービスの需要は拡大していると説明。さらには、DXではシステム間の連携が重要となるため、「従来型のITからクラウドへの移行」を促進するとしている。

 また、IT/ビジネスの効率化を目的としたパブリッククラウドサービスに対する需要も堅調に推移する結果、「DX」と「IT/ビジネスの効率化」が両輪となり、2021年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、2016年比2.8倍の1兆538億円になると予測している。

 IDC Japan ITサービス リサーチディレクターの松本聡氏は、「ITサプライヤーはクラウド事業を発展させると共に、企業のDXを支援するサービスにおいて存在感を示すことが喫緊の課題である」と分析している。