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合同製鐵、紙帳票の電子化で月間約50時間の労力削減を実現

ウイングアーク1stの帳票ソリューションを導入

 ウイングアーク1st株式会社は25日、合同製鐵株式会社が、帳票作成・活用ツール「SVF」と、電子活用ソリューション「SPA」を導入し、22万ファイルを電子化運用したと発表した。合同製鐵では、10年の保管が義務付けられている品質保証のミルシート(鋼材検査証明書)を電子化し、ペーパーレスによる新しい情報活用の仕組みを構築したという。

 合同製鐵は、鉄筋用棒鋼、線材や形鋼、構造用棒鋼など、インフラを支える鉄鋼製品のメーカー。同社では基本的に、帳票類はドットプリンタと複写式の連続帳票で作成していたが、ドットプリンタは障害発生時の取り扱いが複雑なほか、連続紙を切り離し仕分けするといった手作業も避けられない。

 そこで同社では、こういった煩雑な作業を削減するため、基幹システムの更新を機に電子帳票システムの導入を決断し、ミルシートの電子化に取り組んだ。その際のソリューション選定においては、「メジャーな製品で、自由度が高いもの」「基幹システムからの連携が容易で電子帳票が作成できるもの」といった2点を重視。ウイングアーク製品では、ExcelやWordから簡単に帳票を作成できるほか、既存の紙帳票をスキャンして簡単にPDF化できる点などが評価され、採用に至ったとした。

 なお、こうしてミルシートを電子化したことで、システム上での閲覧が可能になり、問い合わせの都度、各地の営業所から保管場所である遠方の工場に確認依頼する手間が不要になったため、問い合わせを受けてから回答するまでの対応時間を大幅に短縮。また、紙帳票による手作業が一掃され、月間50時間の労力削減効果があったという。

 さらに、セキュリティやコンプライアンス面でも改善を実現した。ミルシートは偽造や改ざん防止のために厳格なアクセスコントロールが必要とされているが、SPAを利用することにより、同じ部門でも人単位で細かく権限を振り分けられた。

 現在は管理部門と販売部門をあわせて30名程度で利用しているが、今後は社内で利用しているドットプリンタと複写紙の連続帳票をすべてSVFに移行し、さらなる業務効率とサービス品質の向上を目指すとしている。