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ニチイ学館とNEC、AIを活用した高齢者の介護・自立支援サービス開発に向けた共同研究を開始

 株式会社ニチイ学館と日本電気株式会社(以下、NEC)は10日、医療・介護分野における業務提携に合意したと発表した。

 ニチイ学館とNECはこれまで、経済産業省の「医療技術・サービス拠点化促進事業」に対して共同で提案し採択されるなど、中国における介護ビジネス領域において活動を進めてきた。両社ではこうした活動を一層加速すべく、今回の業務提携に至り、第一弾としてAIを活用した高齢者の介護・自立支援サービス開発に向けた共同研究を開始した。

 共同研究では、通常、ケアマネージャーが人手で作成する個々の高齢者に合ったケアプランの作成において、NECのAI技術群「NEC the WISE」の1つである、多種多様なデータを分析できる異種混合学習技術を用いて、高齢者のさまざまなデータを学習・分析することで、自立に適切と思われるケアプラン案を提案することを目指すもの。

 具体的には、従来からある要介護者に対する入浴介助・通院介助などの身体介護、調理・掃除などの生活支援に向けたケアプランに加え、AIによる根拠をもとに、要介護者のより効率的な運動機能改善などを促す新しいケアプランを作成する。これにより、介護事業者が要介護者の自立を促すサービスの開発を支援する。

 ニチイ学館とNECでは、介護業界では人手不足のため、より効率的な運用が課題となっており、一方で介護業界ではセンサーやウェアラブル機器などのIoTの導入が進みつつあり、それらのデータをもとにしたAI・IoTの活用に大きな期待が寄せられていると説明。共同研究により両社は、介護事業者におけるケアマネジャーなど現場スタッフの負担を軽減するとともに、より効果の高いケアプランを作成できる人材育成の実現を目指すとしている。