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インプレス総研「データセンター調査報告書2017」発行、データセンター事業者、利用企業ともクラウドシフトがより鮮明に
2017年9月27日 06:00
株式会社インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、データセンターに関する調査結果をまとめた「データセンター調査報告書2017」を10月2日に発売する。価格(税別)は、CD(PDF)版が16万円、CD(PDF)+冊子版が17万円。
インプレスの専門メディア「クラウド&データセンター完全ガイド」監修のもと、データセンターの市場動向、サービス動向、テクノロジー動向、データセンター事業者の意向、ユーザー企業の利用動向と、採用検討担当者の意向、現場の実態などをまとめた調査報告書。今年で11年目の発行となり、過去から現在に至るデータセンター市場・産業の変遷から将来に向けた動向予測までを網羅している。
データセンター事業者のクラウドへの取り組み状況に関する調査では、パブリッククラウド型IaaSサービスをすでに提供している事業者は65%(2016年度調査から15ポイント増)、ハイブリッドクラウド型IaaSを提供している事業者は55%(同17ポイント増)、ホステッドプライベートクラウド型IaaSを提供している事業者は65%(同19ポイント増)と、3形態のIaaSいずれも提供率が増加している。
また、提供にデータセンターが必要な他の2つのサービス(VDI、SaaS)も、提供率が増加している。この結果からは、データセンター事業者がユーザー企業のクラウドニーズに積極的に応えたことや、ハウジングからIaaS、VDIサービス、SaaSへと、クラウドの各レイヤーにサービスをシフトしていることが伺えるとしている。
ユーザー企業がデータセンター事業者に強化してほしい点(複数回答)を尋ねた調査でも、「クラウドサービス」が48%で最も多く、「IT的セキュリティ」が43%、「物理的セキュリティ」が39%で続いた。「クラウドサービス」は2016年度調査では次点だったが、ユーザー企業のクラウドニーズもより高まっていることが伺えるとしている。また、他に強化を望む点としては、「BCP/DR」や「ビッグデータ」などのニーズも高くなっている。
クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaSのいずれか)をすでに利用している、あるいは利用意向のあるユーザー企業を対象にした調査では、今後の利用見込みについて「拡大する見込み」と答えた企業が49.2%で最も多く、「現状維持の見込み」(39.7%)がこれに続いた。一方、「縮小する見込み」または「一部はオンプレミスに戻す見込み(クラウドサービスの利用を中止)」は合わせて9.0%で、少数ではあるが、クラウドを利用してみた結果、期待した効果が得られなかったと考えるユーザー企業も存在する。
ユーザー企業がデータセンターのハウジングサービスを探している期間中に、採用ないしは検討したITサービス(複数回答)を尋ねた調査では、「Amazon Web Services」(43%)と「Microsoft Azure」(29%)が2トップで、「Google Cloud Platform」(16%)がそれらに続いており、ハウジングを検討するユーザー企業の約半数が、IaaSを同時に検討・採用している。また、「データバックアップサービス」という回答も11%あり、自社データのバックアップが、現在でもデータセンター利用の目的になっているとしている。
探しているデータセンターの利用目的については、「自社従業員利用」が45%で最も多く、「自社ブランドによる社外サービス提供(ECや情報提供、SaaSなど)」が21%で続く。データセンターのメインの利用目的は、2000年初頭に顕著だったECサイトや情報・サービス提供サイト、企業コーポレートサイト設置といった需要から、ユーザー企業の従業員が使う社内システムへと移り変わっていると指摘している。