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TIS、ITアウトソーシングサービスの中核拠点「MSCC」の施設内を公開

オンプレからクラウドまでマルチ運用サービスの現場を見える化

 TISインテックグループのTIS株式会社は30日、クラウドやセキュリティなどのITプラットフォームを一元管理するITアウトソーシングサービスを提供する中核拠点「MSCC(Managed Service Control Center)」の東京と大阪拠点を、見学可能な施設として本格開設したと発表した。これにあわせて、同日には「MSCC 東京」のメディア見学会が行われ、「MSCC」の位置付けやサービス概要などを説明した。

 「MSCC」は、「クラウドサービスの活用」や「サイバー攻撃対策」「BCP対策」など、企業が抱える経営課題に対して、包括的なITアウトソーシングを提供する運用サービスのコントロールセンター。24時間365日体制でのシステム監視やサービスデスクなどの機能を備えており、これらを組み合わせることで、企業のオンプレミス環境からクラウド環境までのさまざまなITプラットフォームの運用サービスを提供している。

 TIS プラットフォームサービス本部 プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス営業部 部長の丸井崇氏は、「MSCC」の位置付けについて、「当社では、パブリック/プライベートクラウドサービスと堅牢でセキュアなデータセンターをベースに、顧客がITのファシリティ・運用基盤やディザスタリカバリ(DR)、セキュリティなどを意識することなく、安心してビジネスに集中できるプラットフォームサービスを提供している。このプラットフォームサービスの中核を担うのが『MSCC』であり、複数のデータセンターやパブリッククラウドなどのさまざまなプラットフォームに対して一元的な運用サービスを提供する」と説明。

 「今まで、システム運用サービスは“見えない”ものというイメージがあり、どのようなサービスが行われているのか不安を感じている顧客も多かった。そこで今回、『MSCC』を公開することで当社のシステム運用サービスの現場を見える化し、顧客に安心感を持って『MSCC』を利用してもらえるようにした」と、「MSCC」の施設内を見学可能にした狙いを述べた。

TIS プラットフォームサービス本部 プラットフォームサービス事業部 プラットフォームサービス営業部 部長の丸井崇氏

 「MSCC」のITアウトソーシングを利用するメリットとしては、「マルチサービス運用」、「運用の2拠点体制」、「システムとセキュリティの一貫したサービス提供」の3つのポイントを挙げる。

 「マルチサービス運用」では、従来環境だけでなく、AWSなどのクラウドも含めたさまざまなIT環境の運用をサポート。「運用の2拠点体制」では、東京と大阪の2拠点に設置した「MSCC」の運用体制を活用することで、DR/BCP対策を容易に実現できる。「システムとセキュリティの一貫したサービス提供」では、世界9拠点に展開するTrustwaveのSOCと連携し、最新の脅威情報を元にしたトータルセキュリティソリューションを提供するという。

 そして、「MSCC 東京」の見学会では、高い信頼性を維持する「Monitoring&Control」、ワンストップでのサービス提供を担う「Service Desk」、高い安全性を確保する「Secure Operation」、迅速な意志決定を支援する「Decision」の4つのエリアが公開された。

 「Monitoring&Control」は、システムを常時監視するモニター機能、システムの運用・保守に対応するSE機能、運用を指揮するコントロール機能を提供するエリア。7人のSEが常駐し、24時間365日、多様なプラットフォームの一元監視および保守に対応する。エリア内には、大阪の「MSCC」とリアルタイムで接続し、等身大でコミュニケーションがとれるツールも導入されており、拠点間のシームレスな連携体制を実現している。

「Monitoring&Control」エリア(イメージ)

 「Service Desk」は、データセンターの顧客窓口機能、顧客業務ヘルプデスク機能、顧客OA系ヘルプデスク機能を提供するエリア。20人のサービスデスクスタッフが常駐し、大阪「MSCC」とも連携して400社以上の顧客の総合窓口を担う。各スタッフは、顧客からの多種多様な問い合わせに対して、メールや電話などの顧客対応履歴を即時参照し、迅速に応答する。専門性の高い問い合わせについても、「MSCC」に常駐するインフラSEと連携することで、的確に対応することが可能となっている。

「Service Desk」エリア(イメージ)

 「Secure Operation」は、顧客システムの管理、障害復旧、システム変更などに対応する高セキュリティエリア。セキュリティシステムによる入室制御に加え、ITVカメラによる記録、作業PCごとのアクセス制御、申請ログと操作ログの突合などによって、徹底的に顧客システムの安全性を担保する。

「Secure Operation」エリア(イメージ)

 「Decision」は、他拠点のスタッフと連動した最適な意志決定、および他社との連携による対応方針の迅速化を支援するエリア。このエリアでは、テレビ会議システムを活用し、ほかの拠点の技術スタッフと仮想連携を行うことが可能で、運用構築プランや障害復旧プランなどの迅速かつ最適な意志決定をサポートする。

「Decision」エリア(イメージ)

 なお、「MSCC」を活用した具体的なサービス提供例としては、TISデータセンターによる各種運用サービス、プライベートクラウドサービス「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service -HOSTED PRIVATE Service」、エンタープライズ向けクラウド運用サービス、サイバーセキュリティ対策の「TISマネージドセキュリティサービス powered by Trustwave」を挙げている。