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パナソニック、IPカメラの画像認識機能を利用するIoTソリューション「Vieureka PF」

 パナソニック株式会社は7日、IPカメラをさまざまな用途においてIoTデバイスとして活用する「Vieureka(ビューレカ)プラットフォーム」(以下、Vieureka PF)を開発したと発表した。

 Vieureka PFは、IPカメラ内に搭載される画像認識機能を利用することにより、機器の制御や動作状況の監視を可能にするソリューション。カメラ内で画像認識を行い、認識結果データをクラウド(あるいはオンプレミス)の集計サーバーへ送って、目的に応じて集計・分析する仕組みで、グラフ表示などの可視化にも対応する。

 IPカメラの映像データは通常、数Mbpsといった大きな帯域を必要とするため、カメラの台数が多くなればなるほど、大容量の映像データを送信する必要が生じてしまい、クラウドへデータを送信して画像認識を行うことは困難だった。しかしVieureka PFでは、カメラ側で処理を行うため、数十バイトから数百バイトの小さい認識結果データのみを送れば良いので、ネットワークのトラフィックや集計サーバー側の処理の負荷を増大させることなく、カメラの設置台数を増やせるという。

 最大の特徴は、カメラ内の画像認識機能をクラウドから容易に入れ替えられる点。一般的に、IPカメラの画像認識機能はハードウェアやファームウェアとして実装されているため、実現できる機能が限られてしまうが、Vieureka PFでは画像認識機能を入れ替えられることから、多用途対応を実現している。

 なお、具体的なコンポーネントとしては、画像認識機能の入れ替え、制御、状況監視を可能にするカメラソフトウェア「Vieurekaコントローラ」、Vieureka対応カメラおよびカメラ内で動作する画像認識機能の制御・状況監視が可能なクラウドアプリケーション「Vieurekaマネージャー」、画像認識機能をPC上で開発するためのソフトウェア開発環境「Vieureka SDK」を提供する。

 このうちVieurekaコントローラは、カメラのアプリケーション開発を容易にするAPIを備えており、複数の画像認識機能ごとに、任意の解像度やフレームレートで映像を取得して画像処理を行え、その結果をクラウドに送信したり、ファイルシステムへ保存したりすることができる。

 また、Vieurekaマネージャーとカメラが通信するためのWeb APIも備えており、Vieurekaマネージャー経由で画像認識機能の入れ替えと制御(実行、停止、設定値変更)、状況監視(処理負荷監視など)を行える。

 なお、Vieureka PFでは、ビーコア株式会社のカラービット技術、PUX株式会社の顔検出、年齢性別、人物検出機能、オープンソースの画像処理ライブラリを用いた各種画像認識機能の搭載実績があるとのこと。Vieureka対応カメラには、株式会社エルモ社の画像認識クラウドカメラ「VRK-C201」を使用していると。

 パナソニックによれは、実際の活用も始まっているとのことで、株式会社トライアルカンパニーが「人物検出を用いた店舗向け来客分析サービス」を、東京フード株式会社が「従業員入退室管理システム」を、それぞれ利用開始しているとした。