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日本オラクル、エンジニアド・システムの低価格モデル「Oracle Database Appliance X6」

中堅・中小企業から大企業の部門でも導入可能に

 日本オラクル株式会社は21日、オラクルの高可用性データベースとハードウェアを一体化したエンジニアド・システム「Oracle Database Appliance」の新モデルとして、「Oracle Database Appliance X6-2S」と「Oracle Database Appliance X6-2M」の2モデルを本日より国内で提供開始すると発表した。

「Oracle Database Appliance X6-2」

 今回の新モデルは、データベースソフトウェアとして従来版で対応していた「Oracle Database Enterprise Edition」に加え、「Oracle Database Standard Edition 2」が選択可能となった点が大きな特徴。これにより、優れたパフォーマンスと信頼性を備えたエンジニアド・システムを低コストで導入できるようになり、大企業だけでなく中堅中小規模の企業や大企業の部門でも利用しやすくなった。

 Oracle コンバージド・インフラストラクチャ担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのデイビッド・ドナデリ氏は、「当社のエンジニアド・システムは、単一のハードウェアとソフトウェア開発チームで構築されたシステムで、オラクルのデータベースとアプリケーションに最適化し、拡張とパフォーマンスが可能な設計になっている。しかし、大規模エンタープライズ向けにデザインされていたため、多くの企業にとって手に届かないところにあった。そこで今回の新製品は、エンジニアド・システムとして初めて『Oracle Database Standard Edition 2』に対応するとともに、大幅に価格を引き下げることで、あらゆる規模の組織や部門にそのメリットを提供できるようにした」と、新製品の狙いを述べている。

Oracle コンバージド・インフラストラクチャ担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのデイビッド・ドナデリ氏

 さらに、新製品では、クラウドへの移行を模索する企業の増加を受けて、オンプレミス型システムとクラウドとの橋渡しとなる機能も提供する。自社で運用する「Oracle Database Appliance」を「Oracle Cloud」に連携させる場合、データをシームレスかつ自動的にバックアップすることが将来的に可能となるという。「新製品は、今日のクラウドのために設計されている。これにより企業は、重要なデータをクラウド側にバックアップまたはアーカイブし、必要に応じてワークロードをいつでも簡単にクラウド環境に移行することが可能になる」と、ドナデリ氏は、オンプレミスからクラウドへの移行も容易に実現できると訴えた。

 新製品のラインアップは、エントリー向けの「Oracle Database Appliance X6-2S」と、パフォーマンス向けの「Oracle Database Appliance X6-2M」の2モデル。各モデルの仕様は、「Oracle Database Appliance X6-2S」は、Intel Xeon CPU(E5-2630 v4 2.2GHz×1、10コア)を搭載し、128GBメモリ、384GBまで拡張可能。一方、「Oracle Database Appliance X6-2M」は、Intel Xeon CPU(E5-2630 v4 2.2GHz×2、40コア)を搭載し、256GBメモリ、768GBまで拡張可能。両モデルとも、10GBase-Tネットワーク、および10GbE SFP+ネットワークに対応。6.4TB NVMe Flashストレージを12.8TBまで拡張可能となっている。

新モデル「Oracle Database Appliance X6」の位置づけ

 日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括の山本恭典氏は、「『Oracle Database Appliance X6』を活用することで、他社のハードウェア製品を利用する場合に比べて、TCOを大幅に削減することができる。検証済みの機器であるため、導入作業は30分程度完了し、導入時間の短縮とコスト削減を実現する。また、必要なコア単位でのプロセッサライセンスを購入できる『Capacity on Demand』ライセンスによって、サーバーの搭載CPUコア数ではなく、『Oracle Database』で利用するコア数を制限し、1ノードあたり2コア単位でCPUコアを有効化することが可能。これにより、システムの成長に合わせて段階的にライセンスを追加購入することができる」と、コストパフォーマンスに優れている点を強調した。

日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括の山本恭典氏

 価格(税別)は、エントリーモデル「Oracle Database Appliance X6-2S」が、ハードウェア最小構成で216万7680円からの低価格で提供。さらに、柔軟な支払いプランを提供するサービス「Oracle Financing」を利用することで、データベース・ソフトウェア込みで月額5万5500円からという低コストで導入できるようになるという。

 日本オラクル 取締役 代表取締役社長 兼 CEOの杉原博茂氏は、「現在、『Oracle Database』は、47都道府県すべての企業に導入されている。一方、『Oracle Database Appliance』は、22都道府県での導入にとどまっている。今回の新製品『Oracle Database Appliance X6』は、最小構成で月額5万5000円から導入できるため、従来までアプローチできなかった中・小規模企業や大企業の部門サーバー向けをメインターゲットに拡販を展開する。これにより、『Oracle Database Appliance』を全国47都道府県すべての企業に導入拡大していく」と意欲を見せた。

日本オラクル 取締役 代表取締役社長 兼 CEOの杉原博茂氏

 「Oracle Database Appliance X6」の拡販展開としては、パートナー企業の得意分野と顧客ニーズをマッチングすることで商談機会の拡大を図っていく考え。パートナー企業を代表して、アシスト 代表取締役社長の大塚辰男氏は、「当社では、1987年に『Oracle Database』の取り扱いを開始し、30年間良好なパートナーシップを築いてきた。そして、2012年から『Oracle Database Appliance』の提供を開始している。『Oracle Database Appliance』は、迅速で簡易に導入できる高性能・高信頼のデータベースシステムとして、当社の顧客ビジネスニーズにベストマッチした。これまでに累計100台以上の販売実績を持てイルが、多くの企業が事業領域拡大のプラットフォームとして活用している。今回、コストパフォーマンスに優れた『Oracle Database Appliance X6』が発表されたことで、今後、全国各地のさらに多くの顧客に販売拡大できると確信している。2017年度は累計販売台数150台達成を目指す」と述べている。

アシスト 代表取締役社長の大塚辰男氏
左から:日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括の山本恭典氏、オラクル・コーポレーション コンバージド・インフラストラクチャ担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのデイビッド・ドナデリ氏、日本オラクル 取締役 代表取締役社長 兼 CEOの杉原博茂氏、アシスト 代表取締役社長の大塚辰男氏