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NEC、土砂に含まれる水分量から土砂斜面の崩壊の危険性を見える化する「土砂災害予兆検知システム」を発売
2016年6月28日 16:10
日本電気株式会社(NEC)は28日、土砂に含まれる水分量から土砂斜面の崩壊の危険性の変化をリアルタイムに見える化する「土砂災害予兆検知システム」を発売した。
土砂斜面の崩壊の危険性を求める解析モデル「斜面安定解析式」に必要な土砂の重量・粘着力・摩擦、土中の水圧という土砂状態を表す4種のパラメーターを、土砂に含まれる水分量のみから算出する、NECが世界で初めて開発したデータ解析技術を活用。土砂に含まれる水分量を測定するセンサー子局を斜面に設置するだけで、リアルタイムに土砂斜面の崩壊の危険性の見える化を可能とする。
NECでは、島根県・津和野町など全国約10自治体で同技術の実証実験を行っており、これらの実証を通じて培ったノウハウを基に製品化した。
時間雨量・土砂に含まれる水分量の変化状況を蓄積し、過去の災害発生時および災害には至らなかった場合と現状の測定値の比較が可能。
センサー子局は電源工事が不要なバッテリー稼働で、省エネ設計により2年程度の長期間稼働が可能。通信も免許申請が不要な920MHz帯特定小電力無線を利用し、データ蓄積・解析機能はクラウドサービスとして提供することで、低コストでのシステム導入・運用を実現した。
NECの防災情報システムとの連携が可能で、同システムで土砂斜面の危険性や河川水位、監視カメラ映像など各種データの統合管理を実現し、迅速かつ的確な意思決定を支援。今後もシミュレーションシステムをはじめ各種システムとの連携を予定している。
また、NECの土砂災害予兆検知システムと、ALSOKの24時間365日の監視サービスとの連携を検討しており、両社共同で実証実験を実施している。
センサー子局3台、中継局1台、設計・設置工事費込みの参考価格(税別)は、1斜面あたり初期費用690万円、月額7万円から。NECでは、今後3年間で200システムの販売を目標とする。