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「Microsoftには3つの野心がある」~サティア・ナデラCEO

WPC 2015にパートナー1万2000人が参加、Windows Phoneの新機種投入も

4つのパートナー向け施策を展開

 最後に登壇したのが、米Microsoft Officeディビジョンのジョン・ケース コーポレートバイスプレジデント。「プロダクトの革新によるチャネル革命」として、同社クラウドビジネスにおけるエコシステムへの貢献について説明した。

 Office 365が前年比84%増となっていることや、パートナーによる販売が3倍になっていること、Microsoft Azureのパートナー企業が6500社となり、これはAWSの同じタイミングと比べて20倍になっていることなどを示しながら、「パートナー各社には、コマーシャルクラウドの進展に協力していただいたことに感謝している。そして、新たなプロダクトの開発が、パートナーのチャンスを生んでいる」と述べた。

米Microsoft Officeディビジョンのジョン・ケース コーポレートバイスプレジデント

 ケース コーポレートバイスプレデントは、パートナー向けに4つの施策を説明した。

 ひとつめは、CSP(クラウド・ソリューション・プロバイダー)プログラムだ。CSPは、パートナーがOffice 365を自社ブランド製品として販売できる仕組みだが、新たにMicrosoft Azure、EMS、CRM Onlineにも対象を拡大するほか、131カ国で展開することで、CSPプログラムを活用するパートナーを広げることになる。

 2つめは、新たなインセンティブ制度を用意。Office 365、EMS、Power BI、Microsoft Azureにおいて、20%のリベートを提供。販売に弾みをつける考えだ。

CSPプログラムを拡張。今回の発表の目玉のひとつ
クラウドビジネスをドライブするためのインセンティブプログラム

 3つめは新たに認定制度として、Microsoft Azure Certified for Hybrid Cloudを開始。Microsoft Azureと組み合わせたハイブリッドクラウドの提案を加速させる。

 そして、4つめには新たなOffice 365 E5を用意。Cloud PBXやAnalytics、Power BI、Skype for Businessなどを提供する。「高度な機能により、新たなバリューを提供できるスイート製品であり、アップセルにつなげることができる製品」と位置づけた。

 ケースコーポレートバイスプレジデントは、Office 365 E5が対象とする市場は560億ドル規模が見込まれること、2018年度にはクラウド市場が2000億ドルに達すること、CRM市場が210億ドルに達することなどを示し、クラウド市場拡大の可能性を指摘してみせた。
そのほか、Surfaceのリセラープログラムを拡充し、これまで全世界200社だったSurfaceの販社を、数1000社規模にまで拡大し、Surfaceの販売に弾みをつける考えも明らかにされた。

 なお、初日の基調講演は、当初の予定を大幅に上回り、約3時間15分にも及ぶものになった。

ハイブリッドクラウドを加速するための認定制度を開始
新たにOffice 365 E5を発表した

大河原 克行