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ライバルはAWSに Alibabaがクラウド事業を加速

クラウドに10億ドルを投じて主力事業に

 AliCloudは10月に入って、シリコンバレーに米国内で2カ所目のデータセンターを構築する計画も発表している。シリコンバレーに最初のデータセンターを開設したのは今年3月。それから半年で2カ所目となる。

 AliCloudのWebサイトによると、米国ではさらにバージニアにも開設予定となっている。このほかにも、日本、ドイツ、ドバイにもデータセンターを置く予定で、Bloombergによるとドイツは2016年を予定しているとのことだ。

 こうして、Alibabaはクラウド事業を急ピッチで進めている。Wall Street Journalは今年7月に、Alibabaが新たに10億ドルを投じてAliCloud事業を拡大させる計画であることを報じた。このときAlibabaのCEO、Daniel Zhang氏は「今回の追加の10億ドルは始まりにすぎない」と述べていた。

 Bloombergは、AliCloudの事業拡大をAlibaba自身の成長、それに新しい事業の確立の2面から分析している。

 AliCloudはAlibaba Groupも利用しており、創業者でAlibaba会長のJack Ma氏は2015年のグループ全体の取引高を5000億ドルと予想しているという。これに加え、Ma氏はデータの重要性を予言し「将来、データは重要な材料になる。水、電気、石油のように重要な共同資源になる」と語った。Bloombergは、同氏の「コンピューティング機能とデータ、人類は天地が入れ替わるような変化を経験するだろう」という言葉も引用している。

(岡田陽子=Infostand)