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クラウド時代でセキュリティに照準 Ciscoの成長戦略

 Cisco Systemsが新しいセキュリティ戦略を発表した。同社のテリトリーであるネットワークを超えて、クラウドやエンドポイントを視野に入れたもので、Ciscoの今後の成長戦略も示唆している。クラウドによる変革が進む中、新CEOの下で着々とセキュリティ分野の強化を図るCiscoの新時代の戦略とは――。

ネットワークセキュリティに分析を

 Ciscoはセキュリティ分野の強化を進めている。同社は「コンテクストに対応したセキュリティ分析」技術を提供するセキュリティベンダーのLancopeを買収すると10月27日に発表した。買収額は4億5300万ドルにのぼる。Lancopeの主力製品「StealthWatch」はモニタリングによりネットワーク上で何が起こっているのかを把握・検出し、分析する。脅威に迅速に対応でき、継続的にセキュリティ対策を改善できるというものだ。

 この買収はCiscoのネットワークセキュリティに分析をもたらすものとして、高く評価された。例えば、Networkworldは、大企業が抱えるセキュリティ問題に対し、ネットワークでの対策というCiscoのアプローチをさらに補強できるとみる。「ネットワークはセキュリティを遠隔測定できるところであり、セキュリティ問題が検出されるとネットワークはインシデント対応の一部として自動的に修正を行うことができる」とし、Lancopeのネットワーク分析機能は大いに役に立つとする。両社は以前から営業・マーケティングで提携関係にあり、買収は自然なものとNetworkworldはみている。

 Networkworldは別の記事で、「セキュリティの課題は複雑になっている」とし、Wi-Fi、BYOD、クラウドなどのトレンドが攻撃の入り口を広げていると指摘する。「サイバー犯罪者はファイアウォールを貫通することは難しいが、フィッシング攻撃などによって内部からネットワークを侵害することは簡単だと理解している」と述べ、ネットワークレベルのセキュリティ対策が重要になっていると記している。

(岡田陽子=Infostand)