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Nokia買収の減損処理と人員削減 「Windows 10」にかけるMicrosoft

Ballmer氏の仕事の“後片付け”

 MicrosoftがNokia買収を発表したのは2013年9月。当時CEOだったSteve Ballmer氏は、これを「勇敢なステップ」として発表し、元幹部で当時NokiaのCEOだったStephen Elop氏と握手を交わした。Elop氏はCEO引退を発表していたBallmer氏の後任候補ともいわれ、約2万5000人のNokia社員を連れてMicrosoftに戻り、モバイル事業を率いることになった。

 Nadella氏はクラウドやサーバー分野で幹部を務めた後に2014年2月にCEOに就任した。Ballmer氏が残していったNokiaの買収は2014年4月に完了したが、1年たっても買収の狙いであった「Windows Phone」のシェアは一向に伸びていない。Gartnerの2015年第1四半期のデータによると、Windowsのシェアは2.5%、前年同期の2.7%から微減している。AndroidとiOSの独占状態はまったく揺るいでいない。

 「クラウドファースト・モバイルファースト」を進めるNadella氏は、段階的に改革を進めてきた。6月には幹部と組織の変更とともにElop氏とNokia幹部の退任を発表。そして今回の人員削減となる。Nadella氏は2014年に1万8000人規模の人員削減を行ったが、この中にもNokia出身者は少なからずいたようだ。

 Bloombergによると、Nokia買収は当初から社内で議論の的だった。会長のBill Gates氏が反対したほか、一部幹部も反対を表明しており、Nadella氏も反対派だったという。CEO就任直後は、Nokia買収を「正しい動き」と述べていたが、1年たっても結果が出なかったことに業を煮やしたのかもしれない。New York Timesは「Nadellaが(Ballmer氏から)相続した頭痛の種だった。(今回の変更は)Ballmer氏の散らかした後の片付けだ」との証券アナリストのコメントを紹介している。

 ほかにも、“後片付け”として、Microsoftがすでに減損処理しているオンライン広告のaQuantiveについても、ディスプレイ広告事業をAOLに売却することを発表している。

(岡田陽子=Infostand)