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AppleがVR参入? ヘッドセットの特許を取得

メガネ型を否定したCook氏

 Apple情報に熱心なメディアはAppleが新しい特許を取得したことを報じているが、これをもって同社がすぐVR市場参入と見る者は少ない。理由の1つが、Appleは多数の特許を出願するが、製品にまでなるものは多くない、という歴史。また過去に、Appleの幹部はVRやメガネ型など顔に装着するデバイスタイプを否定してきたということだ。

 2013年5月にAll Things Digital(現Re/Code)のカンファレンスに登場したCEOのTim Cook氏は、当時話題となっていた「Google Glass」について、「幅広く訴求するとは思えない」「メインストリームという点でいうなら、リスクだ」とコメントしている。つい最近も、デザイン担当トップのJonathan Ive氏が2月23日号のThe New Yorkerのインタビューで、顔面は「(ウェアラブルの)場所として間違っている」とこきおろしている。

 それでも、Appleが特許を出願・取得しているとなると、詮索したくなる。ましてホットなVRの話題だ。Financial Timesは、Appleが2013年に買収したイスラエルのPrimeSenseを糸口にする。PrimeSenseは3Dモーションセンサーを開発する企業で、Microsoftの「Xbox 360」向けのKinectを開発したことで知られる。「VR業界の一部では、PrimeSenseの技術により、AppleのVRヘッドセットは手の動きを検出して仮想世界をナビゲーションできると予想する者もいる」とFinancial Timesは述べる。

 当のPrimeSenseの動きも前後して報じられた。AppleがPrimeSenseの3Dカメラシステム関連の特許を取得したとApple Insiderが伝えたのだ。Apple Insiderによると、特許は画面の前の“インタラクティブエリア”をスキャンすることで3D情報をキャプチャできるシステムという。「物理的にキーボード、リモコン、タッチ画面に触れることなく、MacやHDTV上のオブジェクトを手の動きにより動かすことができるようになる」としている。

(岡田陽子=Infostand)