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あらゆる場所に広告を Googleが考えるモノのインターネット時代

悪夢? だが消費者は広告に抵抗できる

 Googleの広報担当者は「2013年の書類の内容を明確にするためにSECと連絡をとっている。そして、この書類はGoogleの製品ロードマップを示すものではない」とコメントしている。

 それでも、モノのインターネット時代に、われわれは冷蔵庫やメガネで広告を受け取ることになるのか、気になるところだ。「ひどい悪夢だ」とForbesの寄稿者、Michael Kenellos氏は言う。だが、「技術界における広告モデルは、コンシューマーが製品やサービスを得るために、不便さと、うるささをがまんするしかない場合でしか機能しなかった」と述べ、われわれはこれまで、Googleの広告がサイドバーに表示される程度ならがまんできると判断してきたのだと続ける。

 Tech Guru Dailyも広告だらけの未来に否定的だ。「モバイルの定義が進化しているのには同意する」としながら、「接続された端末があちこちで広告を表示するという将来のビジョンにちょっとおびえてしまう」と述べる。そこでは、サーモスタットが断熱材を、コーヒーメーカーがコーヒーフィルターを、冷蔵庫が野菜を、煙探知機が保険を売るようになる。そんな姿を描きながら「広告にも限界があるのでは?」と記している。

 ForbesのKenellos氏はもう1つ、ホーム家電などのメーカーは広告と組むよりも、電力の需要を管理するデマンドレスポンス(DR)事業者などと提携した方が売り上げにつながる、との予想も示す。LCD大画面のような場合広告が表示される可能性はあるかもしれないが、「顧客が抵抗を示せば、そして代替の収益源があれば、最悪の事態を免れることができるはずだ」としている。

 CnetのLarry Dignan氏は、冷蔵庫の広告よりもGoogleの真意は別のところにあると分析する。「私はGoogleの書類を懐疑的な目で見ている。Googleは売り上げとペイパークリック広告についてのデータを開示したくないのだろう」とDignan氏は言う。その理由として、Googleのモバイル上での振る舞いはPCと異なっておりマネタイズができていない、Androidでの独占から規制の目にとまることを恐れているのではないか、と推測する。

 Googleの真意は今の段階ではわからない。だが、Googleの書類がモノのインターネット時代の将来を想像するきっかけになったとはいえるだろう。われわれは本当に広告に囲まれて生活することになるのか、われわれ自身が決定できるというKenellos氏の考えを信じたい。

岡田陽子=Infostand