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Steve Ballmer氏は変わった? 自身のチームにAWSを選択

新しいファン体験にAWSのクラウドと機械学習

 クリッパーズはSecond Spectrumと組んで2018年秋、さまざまな情報をARで試合動画に付加する「Clippers CourtVision」を開始した。動きまわる選手の頭上に、名前や、現在位置からのシュートが成功する確率などをリアルタイムで表示。新しい視聴体験を提供する。

 今回のAWSとの契約は、このClippers CourtVisionに、AWSが主要な技術パートナーとして、クラウド、機械学習、AIソリューションを提供するというものだ。

 具体的には、NBAのアリーナの29カ所にあるカメラからSecond Spectrumが3Dの空間データを収集。これをAWSクラウド上に保存して、リアルタイムに分析する。データにはプレーヤーとボールの位置情報や動きが含まれ、これらのデータを処理して画面に情報を表示する。

 利用するのは、AWSが2017年秋に発表した動画向けサービス「AWS Elemental Media Services」だ。同サービスは、「AWS Elemental MediaConvert」「AWS Elemental MediaLive」などで構成され、ライブを含む動画で新しい体験を提供する技術をそろえている。

 機械学習では、モデルの構築とトレーニングができる「Amazon SageMaker」を使って予想や分析を提供する。例えば、フレーム単位でショットを見たり、ショットが入るかを分析することなどができる。

 スポーツ分野は、クラウド事業者にとって重要な市場となりつつあるようだ。

 クラウド専門メディアのCloud Techは、同じNBAのゴールデンステート・ウォリアーズがGoogle Cloudを採用したこと、昨年11月のAWS「AWS re:Invent」の基調講演に、F1のマネージングディレクターとして知られるRoss Brawn氏が登場したこと、さらにプロ野球リーグMLBもAWSを採用していることなどを紹介している。

 クリッパーズとの契約の発表で、AWSのワールドワイドコマーシャルセールス担当バイスプレジデントのMike Clayville氏は「クラウドコンピューティングと機械学習の組み合わせは、ファン体験を根本から再定義する可能性がある」と述べている。