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Steve Ballmer氏は変わった? 自身のチームにAWSを選択

 Microsoftの前CEOのSteve Ballmer氏が、所有するバスケットチーム、ロサンゼルス・クリッパーズのクラウドの契約を発表した。当然「Microsoft Azure」と思いきや、選んだのはライバルのAWSだ。Microsoftの顔として会社を成長させ、時には敵を激しく攻撃していたBallmer氏の変わりように驚きの声が上がっている。

NBAクリッパーズのオーナーとしての顔

 全米プロバスケットリーグ(NBA)のロサンゼルス・クリッパーズとそのスポーツ向けAR(拡張現実)技術を担当するSecond Spectrumが、公式クラウドと機械学習サービスのプロバイダーにAWSを選択した――。こう聞くと、AWSが、また一つ新たな顧客を獲得したというだけのように聞こえる。だが、ロサンゼルス・クリッパーズのオーナーが、あのSteve Ballmer氏となると話は別だ。Ballmer氏はSecond Spectrumにも出資している。

 Ballmer氏は、Bill Gates氏の後を継ぐ形で2000年にMicrosoftのCEOに就任し、2014年まで世界最大のソフトウェア企業を率いた。現CEOのSatya Nadella氏に引き継ぐまでは、ドル箱の「Microsoft Office」と「Windows OS」を維持しつつ、時にはオープンソース陣営に対して牙を剥き、スマートフォンブームにあたってはNokia買収などを実行した。

 クラウドの面では、Officeのクラウド化(Office 365)を進め、「Windows Azure」(その後、Microsoft Azureに改称)としてIaaSをスタートさせたのもBallmer氏だ。

 MicrosoftのCEOを退任した後、Ballmer氏はロサンゼルス・クリッパーズのオーナーとなった。同チームへの入れ込みぶりは相当強いようだ。CEO退任後、「クリッパーズ経営に集中したい」と言って、Microsoftの取締役まで辞めてしまったほどだ。

 Second Spectrumへの投資もその延長とみられる。Second Spectrumは2013年創業のベンチャー企業で、インテリジェンスやインタラクティブ性のあるスポーツコンテンツを得意とする。同社はNBAの公式動画追跡技術パートナーでもある。