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AWSがブロックチェーンに本格参入 「Kaleido Blockchain Business Cloud」発表

特別な知識なしでブロックチェーンを利用できる

 AWSとKaleidoの狙いは、企業が簡単にブロックチェーンを利用できるようにすることだ。仮想通貨で有名になったブロックチェーンは、低コストで高い信頼性を持ったプライベートネットワークを構築できることから、取引や生産管理を一変させると期待されている。

 その一方、企業がブロックチェーンを活用したアプリケーションを構築するには、コンセンサスアルゴリズムの理解や、ガバナンスモデルをどうするかといった障壁がある。

 Kaleidoの創業者の一人、Steve Cerveny氏は「(Kaleidoの技術で企業は)自分のシナリオにフォーカスできる。暗号技術の博士号を取得する必要はない。ブロックチェーン上に会社を構築するためのシンプルなプラットフォームを提供する」とCNBCに語っている。AWSも公式ブログで、「ブロックチェーンの管理の方法を心配することなく、迅速に動ける」とメリットを強調している。

 こうしたサービスの背景には、企業側の高い関心がある。Deloitteが世界7カ国の大企業の幹部1000人超を対象に実施した調査では、「ブロックチェーンは拡張性があり、メインストリームで受け入れられる技術になる」(84%)、「ブロックチェーンには魅力的なユースケースがある」(74%)など、大きな期待が寄せられていることが分かった。既に運用環境でブロックチェーンを活用しているという企業も34%に達していた。

 Constellation Researchのアナリスト、Holger Mueller氏は、AWSの動きを「初のAWS Cloud上で管理されるブロックチェーン」とSilicon ANGLEにコメントしている。またMueller氏は、ブロックチェーンは次世代のアプリケーションユースケースを実現する特徴を持つ半面、設定・管理が難しいとも指摘している。