クラウド&データセンター完全ガイド:プロダクトレビュー DCを支える黒子たち

非構造化データを有効活用できるオールフラッシュストレージ――Isilon F810 / ClarityNow

弊社刊「クラウド&データセンター完全ガイド 2019年夏号」から記事を抜粋してお届けします。「クラウド&データセンター完全ガイド」は、国内唯一のクラウド/データセンター専門誌です。クラウドサービスやデータセンターの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。
発売:2019年7月1日
定価:本体2000円+税

 デル株式会社とEMC株式会社(デル テクノロジーズ)は2019年2月28日、非構造化データ向けオールフラッシュ ストレージ システムの最新版「Dell EMC Isilon F810」と新しいデータ管理ソフトウェア「Dell EMC ClarityNow」を発表した。

 Isilon F810は、4Uシャーシあたりで最大25万IOPSと15GB/sのスループットを実現。最大構成となる144ノードクラスタでは、最大900万IOPS、540GB/sの総スループットまでスケールアウトすることができる。最大3:1のインラインデータ圧縮を実現するIsilon F810は、競合他社と比較して、ストレージ利用効率を最大33%向上。高いストレージ密度を実現し、4Uシャーシで最大2.2PB、144ノードクラスタで最大79.6PBの実効容量を単一ファイルシステムとして提供する。これにより、データセンターの省スペース化が可能となり、設置スペースや電力、冷却などの運用コストも削減できる。

最新のオールフラッシュストレージ「Dell EMC Isilon F810 」(出典:デル テクノロジーズ)

 新しいIsilon F810ストレージプラットフォームは、既存のIsilonクラスタとの統合も簡単に行え、現在の運用環境に影響を与えたり、手作業でのデータ移行の必要がない。Isilon OneFSオペレーティングシステムをベースに、Isilon F810や他のIsilonオールフラッシュ、ハイブリッド、アーカイブ プラットフォームを単一のIsilonクラスタに統合することで、モダンIT環境がもたらす多くのメリットを活用することが可能となる。Isilon OneFSオペレーティングシステムと拡張性の高いマルチプロトコル機能を背景に、ユーザー企業はデータを統合し、非効率的なストレージのサイロ環境を解消し、管理を簡素化しながら、単一のクラスタで幅広いアプリケーションとワークロードをサポートできる。さらに、パワフルなデータアナリティクステクノロジーを活用することで、保有するデータ資産から最大限の価値を引き出すことが可能。ストレージのリソースを最適化しながら、さらなるコスト削減を実現できるように、Isilonは自動ストレージ階層化を提供するとともに、幅広いパブリック/プライベートクラウドストレージベンダーとのクラウド統合をサポートしている。Isilonストレージソリューションによって、管理の簡素化、運用面の柔軟性、インプレースアナリティクス、自動ストレージ階層化、エンタープライズデータ保護、堅牢なデータセキュリティなどが可能となる。

 新たなデータ管理ソフトウェアであるClarityNowは、ファイルベースのワークフローを効率的に管理できるように設計。IsilonおよびECSの能力を大幅に高めるソリューションとして、分散する異機種ストレージおよびクラウド環境全体を通じて、統合したグローバルファイルシステムビューを提供する。

 IT部門は、社内全体を通じたデータの利用状況とストレージの容量への質が高いインサイトを獲得でき、一般のエンドユーザーおよびコンテンツオーナーはセルフサービス機能により、統合グローバルファイルシステム内の全体を通じてファイルを検索、利用、移動することができるようになる。これらの強力な機能によって数十億に上るファイルとフォルダのインデックス化を行い、可視化することで、横の連携がないストレージのサイロに閉じ込められてしまっていたデータ資産から最大限の価値を引き出し、ビジネスにおいて短期間で優れた成果を出すことが可能となる。