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ベテランが持つ設備の運転・保守業務のノウハウを伝承、富士通が技術伝承を支援するソリューションを提供

 富士通株式会社は27日、施設や設備の運転・保守業務で、ベテランからビギナーへの技術伝承を支援する「技術伝承支援ソリューション」を発表した。計8日間で行う動画マニュアル作成と、動画マニュアルを活用した技術伝承支援のコンサルティングから構成されており、4月27日より販売開始する。

 このうち動画マニュアルの作成では、ヘッドマウントディスプレイを活用したベテラン作業者が実際に見ている視界に近い動画と、ビデオカメラによる作業全体を撮影した動画をそれぞれ撮影。2つのアングルからベテランの技術を記録し、ベテランが無意識に実践している行動の表出や、作業のあるべき姿の議論を関係者間で行う。

 そして、その議論で合意形成された内容をベースとし、手本となる動画マニュアルを富士通が作成。作成したマニュアルは関係者が視聴・確認できるよう、期間中クラウド環境に保管される。こうした手順を踏むことで、技術伝承時にベテランの帯同を伴うことなく、作業の実施方法を個人で定期的に学習できるとした。

プロセス概要

 あわせてこのソリューションでは、ビギナーの作業をベテランと同様に撮影し、動画マニュアルとの比較分析を行うメニューをオプションとして提供する。ビギナーは、作業実施時に得られる具体的な違いから気づきを得られ、作業の目的や意味の理解を深められるので、その技術向上を支援可能という。

 なお富士通では、メタウォーター株式会社およびメタウォーターサービス株式会社と、上下水道設備の業務における技術伝承の共同実証に取り組み、4カ月の業務経験のある作業者が、半月の訓練期間で約30%の技術が向上したことを確認しており、今回の「技術伝承支援ソリューション」は、その実証をもとに確立したプロセスをソリューションとして体系化したものになるとのこと。

 価格は、基本工程が90万円(税別)から、オプション工程が10万円(税別)から。

スケジュール

石井 一志