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OpenStack、最新リリース「Mitaka」を公開

 OpenStack Foundationは7日、クラウド環境構築向けのオープンソースソフトウェア「OpenStack」の13番目のリリースとなる「Mitaka」を公開した。

 新リリースのOpenStack Mitakaは、主にソフトウェアのデプロイ、管理、スケールのしやすさに重点を置いて開発。使いやすさ、スケーラビリティが強化され、エンタープライズのアプリケーションの最適化とクラウドネイティブなソフトウェア開発との橋渡しに最適な、エンタープライズやサービスプロバイダ向けのクラウドプラットフォームとなったとしている。

 管理面では、クラウドのデプロイの担当者や管理者向けに、日々の運用時の使いやすさの向上に焦点を当てた改善を実施。Novaコンピュートサービスには、標準のデフォルト設定が複数追加された。このほか、マニュアルで選択が必要なオプション数が減少したため、設定が容易になった。Keystoneアイデンティティサービス、クラウドネットワークのアイデンティティ管理機能のセットアップのためのインストール、稼働、認証、トークンの発行など複数のステップの手順は、1ステップのシンプルな手順に変更された。

 スケーラビリティに関する強化では、12番目のリリース「Liberty」に初めて登場したHeatのコンバージェンスエンジンが、Mitakaではパフォーマンスの向上とステートレスな運用を維持しつつ、スケールアウト時により大きな負荷や複雑なアクションを扱うことができるようになった。同様に、KeystoneのFernetトークンでは、アイデンティティサービスがサポートする使用可能なAPI数が増加した。

 ユーザーエクスペリエンスについては、クラウドの運用者だけでなく、クラウドリソース上でアプリケーションの開発やデプロイするエンドユーザーを含むクラウドユーザー全体のユーザーエクスペリエンスを向上。統合型のOpenStack Clientは、コンフリクトが発生しないAPI呼び出しを使用してリソースを作成できるため、エンドユーザーは各サービスAPIの複雑な部分を学習する必要はない。さらにMitakaでは、SDKの多言語によるサポートが強化されたほか、アプリケーション開発者の作業の省力化をサポートする展開中の機能である「Get me a network」がNeutronに追加された。

三柳 英樹