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日立とJAL、ウェアラブルセンサーと人工知能を活用した従業員満足度の向上を目指す共同実証実験

 株式会社日立製作所と日本航空株式会社(JAL)は5日、日立グループが開発したIoTと人工知能の技術を活用して、JALの従業員満足度の向上を目指す共同実証実験を開始した。実証期間は約3カ月間。

 実証実験では、ワークスタイル変革の施策などと従業員満足度の関係性の発見に取り組む。JALの間接部門で働く従業員約80名を対象に、日立グループが開発したIoTデバイス(名札型ウエアラブルセンサー)を用いて従業員の身体運動を捉え、身体運動の特徴パターンから集団の活性度を定量的に算出した「組織活性度」と、従業員の属性や担当業務の特性、ワークスタイル変革施策の実施状況などのデータを組み合わせ、日立の人工知能を用いて分析を行う。

名札型ウェアラブルセンサー

 日立の人工知能は、従来は人手で行っていた仮説設定・検証の自動化を実現するもので、実証実験により「組織活性度」に影響する要素とその影響度を算出できるため、JALグループにおけるワークスタイル変革施策の成果に関する分析や新たな施策の検討に役立てるとしている。

 12月1日から、労働安全衛生法の一部改正に伴い、従業員数50人以上の事業所を対象として、事業者による労働者へのストレスチェックや面接指導の実施などを義務づける制度が施行される。また、内閣府が「主観的幸福感」を中心とする国としての幸福度指標を検討し、文部科学省が「ハピネス社会の実現」を目指す研究プログラムを推進するなど、ストレスの低減や幸福感の向上が社会全体の重要な課題の一つとして認識され、企業にとっても重大な責務となっているとして、こうした背景のもと、JALでは実証実験を開始する。

 JALグループでは、実証実験の成果を今後のワークスタイル変革推進において活用し、従業員満足度の向上に取り組む。また、これまでJALグループが取り組んできた成果もあわせ、旅客業務をはじめとした直接部門の現場スタッフにおいて活用することで、サービスの品質向上に役立てていくとしている。

 日立は今後もJALの実証実験を支援するとともに、人工知能を活用した企業の組織活性度の向上や効率的な業務運用に貢献していくとしている。

名札型ウェアラブルセンサーを装着した様子

三柳 英樹