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田淵電機がSAP S/4HANAを採用、Industrie 4.0実現に向け

 田淵電機株式会社は、SAPジャパン株式会社のERP「SAP S/4HANA」の採用を決定したと発表した。三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(以下、MDIS)の支援を受けて導入を行う。

 田淵電機は、1995年のインバータ事業への参入を契機として、従来のOEM製品主体のビジネスモデルから、一般汎用製品を中心とする事業に転換した。しかし、こうしたビジネスモデルの転換と、それに伴う急激な企業規模拡大により、基幹システムを抜本的に見直す必要が生じたという。そこで同社では、Industrie 4.0(インダストリー4.0)の理念を自社ビジネスに採用し、AIを活用した製造自動化や生産・販売情報などのビッグデータ分析による新しいビジネスモデルの構築を検討してきたとのこと。

 そうした中で、同社は、Industrie 4.0の理念にもっとも近いソリューションと判断し、SAP S/4HANAの採用を決めた。具体的には、システム導入により自社業務課題が解決するだけでなく、基幹システム外の各種機器からのデータも統合管理できることを評価。またSAP S/4HANAのベースであるインメモリデータベース「SAP HANA」上で、リアルタイム分析を行える点も、評価のポイントになったとした。

 なお田淵電機は、ビジネス環境や品質保証体制、企業活動の見える化の整備を進めるほか、販売した一般家庭向けの蓄電池の利用状況を監視し、最適な保守サービスを提供する新ビジネスの立ち上げも予定しているとのことだ。

石井 一志