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国内中堅中小企業のIT販売チャネル別支出動向、PCは販売代理店経由、サーバーはベンダー・SIer経由での割合大

 IDC Japan株式会社は19日、国内中堅中小企業のIT市場における販売チャネルの動向調査の結果を公表した。

 2015年4月に実施した「国内中堅中小企業ユーザー調査」の結果や、ITベンダー、SIer、販売代理店などへのヒヤリング調査の結果を基に、中堅中小企業(従業員規模999人以下)のIT支出における販売チャネル別の動向を調査したもの。

 これによると、国内中堅中小企業のIT支出における販売チャネルの構成比としては、PCや通信機器(ルーターなど)では販売代理店経由の割合が高く、サーバーやストレージ、周辺機器(プリンター、複合機など)、パッケージソフトウェアでは、「ベンダー(営業担当者)」「SIer」経由での導入の割合が高い結果となった。

 PCや通信機器は、小規模企業を含め多くの企業で導入されているほか、導入が比較的容易なことから「販売代理店」経由での導入が多く、サーバーやストレージ、パッケージソフトウェアは、システム構築作業と並行して導入されるケースが中心となることから、「ベンダー(営業担当者)」「SIer」経由での導入が多いと分析している。なお、周辺機器については、多くのプリンターベンダーが全国に拠点網を持ち、販売、保守、消耗品の補充を行っていることから「ベンダー(営業担当者)」の割合が高くなっている。

 IDC Japanでは、各地域の中堅中小企業向け販売代理店やSIerでは、ハードウェアの低価格化と仮想化/統合化など利用拡大による需要減少の影響をカバーするために新しい商材を模索しているが、その1つとして、モバイル、クラウドを活用したソリューションの取り扱いを積極的に推進していると説明。ベンダーや通信事業者においても中堅中小企業向けにモバイル、クラウドを活用したソリューションの提供および支援を強化しており、クラウドを活用したソリューションの提供においては外資系クラウドベンダーなどと新たに取引を開始するケースも増えており、既存の販売チャネル網に影響を与える可能性があるとしている。

 IDC JapanのITスペンディングリサーチマネージャーの市村仁氏は、「ITベンダーは、パートナー企業に対して上流工程からの参画を可能にするため、ベストプラクティス事例などノウハウの積極的な提供が今後のパートナー支援に求められる」と分析している。

三柳 英樹