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常陽銀行が「Oracle Service Cloud」でFAQ検索機能を強化、アクセス件数は3倍に

 日本オラクル株式会社は18日、株式会社常陽銀行が、地方銀行として初めて「Oracle Service Cloud」を採用し、Webサイト上のFAQ検索機能を強化したと発表した。窓口やコールセンターの営業時間に制限されることなく、PCやモバイル端末経由で、顧客が自身の疑問点を自己解決し、手続きを行える仕組みが実現したという。なお本システムは、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G)の支援のもとで構築された。

 茨城県を中心に国内178店舗を展開する常陽銀行では、営業窓口時間外にも住宅・自動車・教育ローンなどの申し込みを円滑に行える非対面チャネルの強化として、Webサイトの拡充や、モバイル端末経由でのサービス強化を2011年より開始してきた。

 銀行のさまざまな手続きやサービス内容の確認は、一般コンシューマにとって難解である場合が多く、また、特定の顧客に限った事項などの回答を的確に表示することは、従来のWebサイト上では困難だったという。そこで常陽銀行は4月に、Oracle Service CloudのFAQ機能を利用することにより、そうした顧客を支援することを決定し、6月より稼働を開始した。

 Oracle Service Cloudでは、Webサイトから各種サービスの申し込みを行う過程で、多くの人が抱える疑問とそれに対する回答はもちろん、特定のケースに至るまでの回答を的確に提示できるため、Webサイト上での自己解決につなげることができる。こうした効果により、Webサイト上のFAQページへのアクセス件数は、前年同月比で約3倍になったとのこと。

 また、コールセンターで応対するオペレーターが、よくある質問とその回答を関係者と共有し、その最新情報をシステムに定期的に更新している。このようなプロセスにより、顧客が求める最新の質問への回答を、コールセンター内で共有するだけでなく、Webサイト上にも提示できるようにした。その結果、顧客が自ら参照できる質問と回答の件数が増加。同行のWebサイト上に掲載されていたFAQは、当初100件強程度だったものが、現在は700件前後まで増加し、現在も拡充されているという。

 常陽銀行では今後、Oracle Service Cloudが持つほかの機能の活用についても検討を進め、より効果的・効率的な顧客対応実現を目指す意向だ。

石井 一志