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アイティーフォー、共同利用で低価格化した小売業向け基幹システム「RITSクラウド」

 株式会社アイティフォーは14日、クラウドを用いた共同利用型の小売業向け基幹システム「RITS(リッツ)クラウド」を、同日より本格販売開始すると発表した。本格販売に先立ち、群馬県のスズラン百貨店など2つの百貨店、および専門店チェーン3社から受注済みとのことで、スズラン百貨店では9月からの稼働開始を予定している。

 今回のサービスのベースとなった「RITS」は、リアルタイム処理など、小売業が必要とする本格的な機能を安価に導入できるパッケージソフトとして提供されており、オンプレミスやプライベートクラウドにより、地方百貨店で10社、専門店チェーンで6社に導入されているという。

 その「RITS」をBCP対応のデータセンターで共同利用システムとして運用し、アイティーフォーが24時間365日の監視サービスおよびメンテナンスを行うクラウドサービスとして提供するのが「RITSクラウド」。共同利用の形態を採用したことで、オンプレミスやプライベートクラウドに比べ、6~8割の低価格を実現した。

 RITSと同様に、商品管理、販売管理、顧客管理をはじめとする小売業に必要な機能を網羅しており、低コストで本格的な基幹システムを導入できるのが特長。ただし中小企業でも手軽に利用できるよう、2店舗かつ売上高300億円までの百貨店、および200店舗かつ売上高200億円までの専門店チェーンに対象を絞った。

 またクラウドの特長を生かし、常に最新の機能を利用可能な点もメリット。消費税率改定などの法改正にもローコストかつタイムリーに対応できる。さらに、共同利用のため1企業あたりの開発費負担をさらに低く抑えられ、法改正に伴うシステム改変や新機能の追加については、アイティーフォーが定期的に開催するユーザー会の総意で決定されるとしている。

 加えて、共同利用型ではあるが、セキュリティ面やメンテナンス時の他ユーザーへの影響を考慮し、HDDはユーザー企業ごとに割り当てた。

 利用料は、5年間契約で月額110万円(税別)から。POSレジなどのハードウエア代金および回線使用料は別途必要だ。アイティーフォーでは、今後3年間で合計12社からの受注を目標としている。

石井 一志